恋愛も編集

ヒビノケイコです。
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さてさて。
以前、Kさんからメルマガへ
こんなお便りをいただきました。
ケイコさん
お久しぶりです。
北海道のKです。
こちらは、もう雪がチラチラと
舞う季節になりました。
(ストーブ焚いても、室温20度ないです…)
編集についてのメルマガ、
いつも「うんうん」唸りながら読んでいます。
というのも、ちょうど
人生の編集をしなきゃいけない時期に
なっているからです。
実は先日、恋人にプロポーズされまして、
晴れて婚約者になりました。
(中略)
自分と娘と婚約者とで、
どんな家庭を築いていくのか。
周りの人との関係はどうありたいのか、
新しく子供は作るのか、
婚約者の商売と自分の商売との
関係はどうしたいのか…etc
自分の人生を「編集」しなきゃいけません。
そんなときに思い出したのが、
「一本の映画を撮るように
人生をプロデュースしなさい」
と言うセリフでした。
これって
「人生を巨視的な視野で見て、
目標と目的意識を持って
しっかり編集しなさい」
ってことと共通すると思うんですよね。
正直、プロポーズされた後不安だったんです。
「編集」するだなんてことが、
果たして自分にできるんだろうか?
構成をうまく描くなんていうことが
自分にできるんだろうか?
と。
なんといっても、
ライターをするようになるまで、
自分の発言すら
「それを受け取った人に、
最終的にどうなって欲しいのか」
を考えずに、ボロボロと口から
よだれを垂らすように
話していたんですから。
そこに、
「こうありたい姿を目指して、
一つ一つを丁寧に生きよう」
と決意しても、
自分の頭と体がついていかないんじゃないか
という不安感はとてつもなく大きかったです。
「どうしたらいいんだ?どうしたらいいんだ?」
「自分の人生に責任持たなきゃいけないわ!」
なんて(笑)
ケイコさんの編集に関する
メルマガが毎日届くようになったのは、
ちょうどそんな「どうしよう」の
日々が始まった頃でした。
メルマガが届くまで、
自分の頭にあったのは
「一本の映画を撮るように
人生をプロデュースしなさい」
だけだったのがケイコさんの
メルマガで「編集」ということに、
より具体的な感じが持てたというか…
色や香り、味がついた感じがしたんです。
それで、メルマガが届くたびに、
メルマガの中で心に響いた
一言一言を紙に書き出して
「どうしてこの一言が自分に響いたのか」
「その一言を受けて自分は何を感じたのか」
「どんな考えを持ったのか」
をみっちり書き出すことにしたんです。
そうしたら
「どうしよう。どうしたらいいんだろう?」
だけだったのが
「待て待て、そもそも私の
人生を構成するものってなんだ?」
になり
「一本の筋っていうけど、
構成要素ごとにあれこれ考える
必要だってあるんじゃないか」
になり
「映画だって、主題は一本あるけど、
副題だってあるし主題を達成するために
他の要素が絡んでるぞ」
「この辺りは、婚約者と娘とも
膝詰めあって話した方がいいかも」
と、具体的になってきました。
ケイコさんは、村松さんの出会いを
「人生を変えた出会い」と
おっしゃっていましたが、
わたしにとっては、
ケイコさんとの出会いが
「人生を変えた出会い」に
なりつつあります。
いつも、
濃ゆいメルマガありがとうございます。
おめでとうございます。
きっと不安も、乗り越えるべきことも
あるとは思いますが
大好きな彼と、お子さんと、
これからを作っていけるのは楽しみですね。
文章も伝えるための軸が必要といいますが、
自分の人生の文脈でも、軸を持つことが大事です。
「こうしたい」という方向性ですよね。
ひとに合わせるばかりで今まで見えなかったものを
浮き彫りにしていくような作業でもあります。
それをもちながらも、
あたらしい出会いによって、
自分の文脈と相手の文脈とが合わさり、
さらに面白い文脈が紡ぎ出される。
その文脈は、
いいことだけではなく悪いこともふくめて
腹を割って話すことで、生まれていくもの。
この作業、めんどくさいけど自分だけじゃできないし
想定外に楽しい景色を見せてくれますよね。
どうぞ楽しんで、これからの文脈をつくっていってください。
◾️句読点のうちかた
今日おたよりを読んで、思い出したのが
村松美賀子先生おすすめの本 「知の編集術 松岡正剛著」の一節。
ちょっと紹介しますね。
ストーリーが決まっている小説や映画だけに文脈があるわけではない。旅行にも文脈があるし、恋愛にも文脈がある。 料理だってレシピという文脈を守らないととんでもない味になる。レシピは味の文脈をつくるための編集術なのだ。 ビジネスも文脈をひとつまちがえればまとまらない。ビジネス・ノウハウなどといわれているのがそれだ。
しかし、そのような何事にもひそむ文脈というものを、与えられた通りに受けているだけでは、おもしろくない。だんだん退屈になる。会社員が鬱屈してくるのはそのせいだ。会社が用意した文脈にも、自分がやる仕事の文脈にも、まったく変化がないせいだ。日記に書くことがいつも同じではつまらない。
そこで文脈の編集を自分でやってみる。変化をつけてみる。隠れた文脈を発見したり、新たな文脈を挿入してみるわけである。私がとくに勧めるのは、新たな句読点を打ってみることだ。
出展:「知の編集術」松岡正剛著
常に、新たな句読点を打てる人生のあり方。
句読点の打ち方を工夫してみる変化の出し方。
そんなふうに、
出会いによって変化も楽しみながら
人生をデザインしてゆけると、
描ける文脈も登場する人物も
彩り豊かになってゆきます。
俯瞰して人生をデザインする

そうそう、さきほどのメッセージにもあった
「浮き彫りにしてみる」という作業。
いつもは自分の文脈にうずもれていて見えないけれど
上空から地図を見るように俯瞰して自分の人生を見てみると
「現在地はどこなのか?」
「これからどうしていきたいのか?」
何が足りていて、何がないのか?
誰かの力を借りることでどう広がっていくのか?
今どんな行動が必要なのか?
そんなことが見えてきます。
より方向性に向かって進みやすくなるんですよね。
これを、6月17日京都での編集講座、
ワークのなかでしようと思ってます^^
編集者村松美賀子先生からは、
本・講座・媒体すべてに通じる編集を。
わたしからはこんな
「ぽっちりな人生を編集する方法」を
分かち合っていきたいと思います。
詳細と募集はメルマガ内のみ。
ご興味のある方はどうぞ→メルマガ登録はこちらから
6月17日京都で「編集術」講座。
編集者、村松美賀子先生は
編集についてこんな風に表現してらっしゃいます。
”思いや考えを伝えるには、
そのための「術」が必要です。
伝えたいことの芯を見つけ、
ふさわしい表現を探ること。
「編集」とは、ものごとを結びあわせ、
新たな文脈を見いだす
クリエイティブな行為です。”
村松美賀子さんプロフィール
(編集者、ライター、京都造形芸術大学准教授)
編集と文筆。出版社勤務の後、数多くの書籍や雑誌を手がけ、本の制作に伴って、展示やイベントなども開催する。生活文化を中心にアートや科学など、ジャンルを超えた執筆・制作を続ける。編著に『標本の本 京都大学総合博物館の収蔵室から』(伊藤存との共著、青幻舎)、著書に『京都でみつける骨董小もの』(河出書房新社)『京都の市で遊ぶ』『いつもふたりで』(共に平凡社)など多数。
◾️村松先生の著書と編集された本たちはこちら。
写真の並べ方、空気感のある言葉や視点、編集が素敵です。