人と自分のあいだにあるもの
「どうしても客観的な目線が持てません。どうしたらいいんでしょうか?」と聞かれることがある。
うーん。そうだなー。客観的な目線って大事だけど、持つのはなかなか難しいよね。
わたしがアートどっぷりのころ→物販や講座などをしてきたのは、自己完結しない「人と自分のあいだにあるもの」を作りたかったから。
「売れる」という現象が好きなんだけど、それは、相手も求めているものと、自分がいいと思うものの重なる点を、この世に表現できたときに起こること。
よく美大の先生たちには「表現は自慰行為ではいけない。自分を表現しながら相手にも喜ばれるものであること」と言われたけれど、それができたとき、とっても楽しい。
そんなこともあって、表現も、仕事も、生きることにも、アツい主観性とともに、フラットな客観性が必要だなって思ってる。
客観性の育て方
1、内面からのアプローチとしては、瞑想を日常的にしてゆくと、俯瞰的な目線がおのずとできてくる。
2、日常をネタ化して「書く」ことをしていると、自分が客観的に見えてくる。
3、もうひとつは、人と直接コミュニケーションをとっていくことかな。そこでは、自分目線だけじゃなく相手の反応が知れる。
自分が表現して、伝えたこと。
それに対する相手の反応を見て、相手からの表現を受け止めて。それがどれだけ厳しいものであっても、辛いものであっても、嬉しいものであっても。
人からの目線も知ることで、「自分ではこう思っていたけど、人から見るとこう思うんだなあ」ということがつかめていく。
恥ずかしさより伸び代
あとは、そうだなあ・・・。
実際、自分の言ってることや動きを、改めて見てみるのも役立つかも。
機会があれば、音声とか動画はおすすめ。
わたしの場合は、講座の動画を常にスタッフが撮っていて、クローズドコミュニティで配信している。外部講座の場合は、あとで動画アーカイブをプレゼントしてくださることもある。
ベテランの講師の方々も、自分の映像を事前練習・事後に見て、研究しているという話はよく聞くのだけど、わたしも、講座をはじめた数年前はよくチェックしていた。(今はアドリブ多々であまり見てないけど)
もう一度見てみると自分でも発見があって、
「もうちょっと、こんな例を使ってお話ししたほうがいいな」
「この話し方の癖はやめよう」
「 姿勢はこういう風にしよう」
など、いろいろ思いつく。
よく、「自分の音声とか動画を見返したくない、恥ずかしい」という人もいるのだけど、その恥ずかしさとはいずれ向き合わなければいけないね。そんな言葉を、ベテラン講師の人からは聞く。
確かに、自分がしていることを客観的に見ると、絶望的な気持ちになることもあるし、毎回より良いものを作っていけば、過去出したものは「黒歴史」になってしまう場合もある。まあ、ブログでも講座でもね(笑)
けれど、何度もチェックして繰り返すうちに、改善されていくもの。
恥ずかしさより、伸び代のほうが大事なのだ。
そうなるとどんなことを自分がしていようと、そこに感情移入するんではなく、材料にできる。そんな目で、一度自分を他人のように見てみるのはおすすめ。
できてることの確認
おぼえている一番古い記憶の映像は、5歳くらいのとき。習っていたバレエの発表会で、妖精の衣装を着て踊っていたら、鈴を衣装にひっかけてしまった場面。
心の中では「どうしよう!」と大慌てだったけど、「観客の人がいるのだから、今最大限きれいに見えるようにしよう」と思って、できるだけ素知らぬ顔をして、踊ってた。
あとで見返すと、あー切ないなあと思うんだけど、あの場面を乗り越えたことを思い出すと、「5歳のときでも大丈夫だったんだから、今どんなことが起こっても、対応できる」と思える。
改善するべきことを知るのも大切だけど、一方でこうやって、できていることの確認をするのもいい。
適切な自尊心
そういえば最近、ぽっちり舎の年間メンバーとスカイプ勉強会をしていた時、嬉しかったのが
「この講座に毎月出ることで、自己卑下でも自意識過剰でもなく、適切な自尊心を持てるようになった」ということば。
適切な自尊心。
それは、自分自身ができることも、できないことも、フラットに自覚していくことから生まれるもの。あとね、人から褒められたり、求められていることを、「いやいや、違うんで」と言わず、「ありがとう」と素直に受けとめることで見えてくる。
そのまんまを観察すること。
恥ずかしいとか受け入れがたいとか、そんなことは関係なく。それが、よりよい仕事やよりよい暮らしでの選択に結びついていく。
さいごに
どんなことを自分がしていようと、感情移入するだけではなく、材料に。
一度自分を他人のように見てみるのはおすすめ。
自己完結しない「人と自分のあいだにあるもの」を作るための、客観性を持っていけるといいね。
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