距離感って大事。俯瞰して見られるから。
ビジネスも地域もパートナーも
ずぶずぶになると調和ばかりで前に進むことができない。
密着しすぎてその中からしか見えなくなると、
間違ったアプローチをとってしまうことがある。
でも、自分はまったく関係ないところで暮らし、
コンサルとか研究者的に関わるのは
当事者意識が減りすぎるなあとも思う。
地域に入って10年たつと、
いまも楽しく暮らしている人と、
もう一方に分かれる気がしている。
最初は情熱を持って入ってきたのだけど、
経済的にカツカツでいっぱいになってしまったり、
調和に偏りすぎて何もできなくなり、自分を見失ったり。
尖りすぎてのけ者にされていつのまにかひねくれてしまったり。
生き生きしてる人と、暗い顔になる人が出てくる。
20代で入ったあの人も、もう30代だ。
30代だった人は、もう40代だ。
誰かを助けたいとか、地域のためにと思って入った
ミイラとりがミイラにならないようにするのは大事なこと。
地域って、昔ながらの知恵や自然に即した暮らしが残っていたり、
都市にはない人のつながりが残っていたり、
都会育ちのわたしにとっては、貴重だなあと思うところがいっぱいある。
でも、地域がうまくいっていないのは
「今までのやり方によって、今これだけ沈んでいる」ということ。
調和は地域生活にとって重要な点だけれど、
それだけに偏ると、今までのやり方からでることはできない。
いいところは残し、いらないところは省く。
今の時代にあったかたちに、更新させていく必要がある。
今までとってきた、いらない方法から一歩でも出ること。
俯瞰しつつ、前に進むアプローチを取ること。
そのためには中でも外でもない絶妙な距離に
いられるようにすることが大事だ。
距離感を生むもと
距離感を生むもとは、余裕。
精神的な余裕、肉体的な余裕、金銭的な余裕。
知恵の余裕、手立ての余裕。
地域や社会に貢献したいなら、
自分に余裕を作らないと、
結局誰も助けられない。
歴史・地政学の月一勉強会に通っている。
歴史、というと過去の話を
専門家のおじさんが地味~にしてるというイメージだったけれど、
実際は全然違って、知的エンタメ性もすごい。
こんなに面白いと思わなかった。
時代性、ビジネスの動きを
読み取ることにも通じる話が多く、
子供の教育を考える面でも、
あと、移住のこれからを考える上でも非常に参考になる。
このあいだ聞いて面白かったのは、
歴史的にみて、勝者と敗者を分かつのは、
「あまり」だった、という見解。
人口、食べ物、お金、武器、知識、時間、アイデア、
情報、土地、エネルギーなどなど。
その時代のその場所で、必要なものが
より多く余っている人(または集団)が勝者となるという話。
人や国の、いまと未来の力関係を考えるときは
この「あまり」をみることが必須である、ということ。
例えば、シンガポールはいまとても住みやすそうだな、
これから発展しそうでいいなあ、と日本にいると思うけど、
シンガポールの人は、
日本の人口(減っているにしてもそれなりの規模)を
すごく羨ましがるらしい。
それだけ人口のあまりというのは大事みたい。
また、人工知能がこれからどんどん導入されていくと、
人間が労働することが減る。
ということは、人間の時間があまる。
そうなったとき、
わたしたちはどんな風に動いていけばいいか?
余った人々が移民化していく、というのもテーマになる。
歴史的には時間がいっぱい余って暇だったから
考えることに注力でき、
哲学が生まれたという見解もあるから、
何事も、暗~くとらえて後ろ向きに生きるより、
それを踏まえて動くほうが建設的だなあと思っている。
そして、学んでいていつも感じるのは、
時代の動きは、止められないということ。
いいとか悪いとか、
こうすべきとか言ってもしょうがなくて
(まあ、意見として言うのはいいと思うのだけど)
「こうなる」ことが見えてる。
だったら、
早めにそれを踏まえて次の手を打つ。
時代の波に溺れず、泳げるように準備していくことが大事。
自分が立っていると周りもいい影響を与えられるから。
あなたは何を余らせる?
また、「自分自身が何を余らせていくか?」と
いうのも重要な視点だと思った。
その日暮らしのカツカツな生活状況では、
何かあったときに対応しにくい。
また、お金は稼げても密着型の労働であれば
時間と場所の自由は得にくい。
いまはしのげても、仕事にしろ、暮らしにしろ、
知恵のあまりがないと、未来につながる次の手を考えられない。
だから、自分自身がこれから何を余らせていくのか?
という視点は、これからどう生きるか?にとってかなり重要。
わたしとしては、
そこにいなくてもいてもいい。
でも好きだから、ここにいる。
でも好きだから、この人といる。
そんな風に、距離感を保てる余裕がほしい。
それができると、俯瞰した上で、
必要なアプローチを自分の人生にも、
周りの大切な人たちにも大好きな地域にも、
していけるんじゃないかなあと思う。
もちろん、わたしが望む形だけではなく例えば笹の家のように、
あえてお金ではなく自給自足とか循環型で暮らしをたてる、
という場合、それもすてきだと思う。
また、ものごとに職人的に自分がいてはじめてまわるという仕事に従事すること自体が
その人の喜びであるという場合もあり、そういう一流はかっこいい。
選択した上で密着型であることは、幸せだろうなあと感じる。
要は、なんとなく目の前にあることに、なんとなく従事するのではなく
そのものごとの表裏を熟考し、
踏まえた上で自分の性質とあわせて選んでいるか?
現実的に、その実力を持ちあわせていけるかということなのかなと思う。
さいごに質問
「ぽっちりライフを描こう」
というテーマで書いたり、
講座を作ったりしている。
ぽっちりライフ、つまり、
自分にフィットした人生を
デザインするということは
「選択できる」ということ。
あなたは何を選択したい?
そのために何をあまらせていけばいい?
考えてみてね。
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