能動的に人生を生きる。

消費側ではなく、作る側として世界に関わる。
 

クリエイティブな生き方をするベースとして、
必ず踏まえておくべきことは、

「フラットな土台」だと思っています。

 

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(関連記事:「自分の世界観」を持っているけれど、それが「物語」だということも知っている人は安全

客観性のある視野の中で、

ひとつひとつの物事を、

選択し、アツく歩んでいくこと。


じゃあ、どうやったら

そのフラットな認識が取り入れられるの?


体感的に、知恵として

取り入れられるのが、

仏教のメソッドや瞑想です。

6月20日に行うぽっちり舎講座(東京)は、

プラユキさんを講師に迎えて、

お話と瞑想ワークショップ。


タイの僧プラユキさんと出会って
10年以上。

対話やリトリートを通して、

自然とその認識を身につけつつ、

成長させてもらってきました。
 

(詳細はこちら「お寺はトレーニングジム、瞑想は自分を癒せる心の筋トレ」瞑想と仏教に触れて良かった20のこと
 

悩みがクリエイティブのもとになり、

困った性質も生かせるものとなる。

で、今があります。
 

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テーマは「自分らしさってなんですか?」

「自分らしく生きよう」とよく言われますが、

じゃあ、自分って何?と思う方も多いです。


「こんな自分なんて」と卑下するのでもなく、

「自分はこうなんです!!」と過剰すぎるでもない、

フラットな自分の捉え方についてお話した内容、
こちらでもちょっとだけ公開します。

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1、プラユキさん、「自分らしさってなんですか?」




ヒビノ:こんにちは。ヒビノケイコです。こちらはプラユキナラテボーさんです。

タイのお寺で出家されて今で・・・


プラユキ:28年ですね。


ヒビノ:もともとは日本がご出身で。


プラユキ:埼玉県出身で、大学で東京にいって、大学院でタイに行き、出家という流れです。


ヒビノ:ブログでも紹介させていただいたり、本「自由になるトレーニング」も一緒に対談し、書かせていただいています。今日はわたしとプラユキさんとの対談をお送りしたいと思います。


ひとつめの質問なんですが「自分らしさってなんですか?」自分らしさがわからない、という人っていま結構いるなと。例えば、自分らしいと思って、自分がしたいことだけしていると周りに迷惑をかけてしまったり。配慮がなかったり。


かといって自己の確立はしっかりとしていないと、そもそも生きていくのが苦しいという。自分の性質を知り、生かしていくという方向性も大事だと思うんです。そのへんを仏教的観点から聞いてみたいなと。


2、自我を持つメリット。無くすのではなく、とらわれないことが大事。



プラユキ:そうですね、まず誤解を解きたいなと思うんですけど、日本で言われる仏教的言説のなかで「自我は捨てよ、捨てよ」というのがある。無になれ、空になれという文脈で言われることがあるんですが、実をいうとブッダは、そういう表現では伝えていなかったんですね。


我具足という言葉があるんですが、それはわたしたちが成長・学習していく上で必要なこと、7つあげたうちの1つなんだけど、つまり「我」というものをしっかり備えておくことによって、修行の進展がしやすくなるよ、という表現で語っているんですよ。


西洋心理学で、自我の確立というのが重要視されているのと、まったくバッティングしないんです。一見「自我を捨てよと自我を確立せよ」はバッティングするようなんですけど。


ヒビノ:自我ってとてもネガティブなものと思われている気がするんですけど、アイデンティティというのはすごく重要ですよね。子供が育つときにも必要ですし。


プラユキ:例えば種を植えて、地中で育ちつつある段階がありますよね。そういう段階には種だけの柔らかい状態では虫がきたりして食べられてしまう。


腐っちゃう。そういう可能性があるわけですけど、それを守る殻があることで、そのなかの柔らかい部分がのちのち芽となる部分が、守られているわけです。


これって自我とよく似た作用。ちゃんと、しっかりした骨格を確率していくというのが、わたしたちの育っていく時代に必要になる。仏教で言われているのは「自我をなくせ」ではなく「とらわれるな」ということなんです。


ヒビノ:ああ、とらわれるなってことですよね(笑)


3、自我の副作用。自分の枠を決めてしまうと、可能性を制限しちゃう



プラユキ:枠にとらわれちゃうと、ほんとは発展可能性がいろいろあるのに自由にできない。「わたしはこうだから、ああだから」といって可能性を制限しちゃうところがあるわけです。


地中から芽を出す段階において、殻をやぶって、双葉ができて、枝葉がうまれ、大きな幹になって、どんぐりから大きな樫の気になり、実が種になり・・という成長をとげていくためには、とらわれ、体のなかに閉じこもっていては発展可能性を抑制してしまう。


そういう意味でとらわれないように、という観点が仏教にはあるということなんです。


ヒビノ:あー。それって例えば自分の土台をちゃんと築くというイメージですね。軸という言葉かもしれませんね。気付くことが重要で、でもとらわれない。わたしはこうだからこうできない、とよく言う人がいますよね。


プラユキ:「わたしはダメ人間だ~」とか。そういった歪んだ自己認識によって、あれもできない、これもできない、となってしまう。概念的に作ったものが、本来の自分を制限したりすることがあるんです。


ヒビノ:それってけっこうありますね。自分はここまでしかできないんじゃないか?とか、自分なんて・・・ってこととか。実際やってみたらできたり、結構するんだけど(笑)意外と自分で制限してしまってるという。


プラユキ:自我のトリックというか、副作用ですね。こだわりすぎたときに、そういったことが起こります。


4、とらわれず、流されないで「しなやかに、自己を生きる」こと。



ヒビノ:だからといって、自我や土台がなく、柔軟性のみであると、単純に「その場その場で生きてる人」にしかならないっていう。


プラユキ:仰る通りなんですよ~。流されるだけの人になるという。すなわち、自我の良さというのは、一貫した行動を取れること、「わたし」をしっかり持つことで能動的にわたしを動かしていくことができること。


それがないとけいこさんがおっしゃったように、その時々の感情、行動が一貫しないことになっていく。「昨日こう言ったのに、今日それ?」みたいなことにね。


ヒビノ:けっこうそれあるな~と思っていて。瞬間を生きる、今を生きるの、ざくっとした言葉で言う危うさってありますよね。ほんとに今しか生きてない人とか・・・(笑)トータルとして生きる中の今でないと。


プラユキ:積み上げていくということがなくなってしまって、近所迷惑になったりとかね。


ヒビノ:そのバランスがとれるといいですよね。自分らしいことと、しなやかさのバランス。



プラユキ:そうですね。「しなやかに自己を生きていく」という感覚が世界を生きていくにおいて適切かなと思いますね。


ヒビノ:でもそのへんがわかってくると、すごく成熟してくるというか・・・。


プラユキ:まさに、まさに。瞑想ではそこを・・・例えば、歩行瞑想で一歩一歩に気がつくというのを、そのための訓練をするんですね。

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5、今ここでの自分の歩みに気がつけば、次の一歩は選択できる



プラユキ:ふだんは漫然と歩いてるだけなんだけど、瞑想だと、一歩一歩、歩いている自分の行動を客観視できるようになる。「自覚化して歩く」っていうのが瞑想的な歩き方なんですよ。そうすると、今どんな感じで歩いてるかってことを自己認識できますよね。今ここでの自分の歩みに気がついていたら、次の一歩は自分で選択できる。


ヒビノ:選択になるんですよね。


プラユキ:いつもはぞんざいに歩いてるんですよね、無意識で。例えば普段、緊張した歩き方をしている人なら「今日はリラックスして歩いてみよう」と意識化することで、次の瞬間から「リラックスした歩き方をしているわたし」になれる。


または、「エレガンスに歩きたい」と思えば、次の一歩をエレガンスに歩くと、歩ける。今ここ、瞑想的に自覚的に気がつくことによって、その一歩、その次の一歩を、選べるようになるよ、と。ということは、「わたしはこういう人間」ていうとらわれ、過去から作ってきた概念、アイデンティティを超えて、いつでも新しい自分になれる。納得できる生き方ができるようになれる。


ヒビノ:更新していけるんですね。なるほど~。確かに、歩行瞑想では自分が歩いてるんですけど、その自分の意識に客観性があるんですよね。


プラユキ:客観性があるんだよね。でも、それを自覚化していないとぼーっと歩いているか、過去や未来のことぶつぶつと考えつつ、今ここに心あらずで一つ一つの行動をとってしまう。例えば未来や過去のことに意識がいっちゃうと、そのフィルターがすごくかかって、「自分はあのとき失敗したから、これからも失敗するんじゃないか」と思ってしまう。


ヒビノ:ああ、そうか。それが「限界」になるんですね。


プラユキ:そうなんです。それが、自我や、今まで作ってきた「自分の記憶で構築したわたし」とか、それにとらわれる時のデメリットなんですよね。


6、自分の内側と外側、関係性を良く見ること



ヒビノ:「自分らしい」という時に大事なのは、もちろん「したいこと」や主観、それはそれで色があって、いい。でも、同時に客観性とか周りの人とか、環境にも気がついているのはとても大事なこと。そういうのが伴っている感じですね。



プラユキ:ブッダの教えの中に、瞑想的な教えがあるんですけど、「自分の内側だけを見よ」とは言ってないんです。実を言うと、「内外を見よ」という表現をしていて。自分の心や行動、現象を見ていくんだけど、同時に相手の表情や言葉も見ていく。関係性ですね。内外っていうのは、内と外という意味で。そこにどういう関係性が生じているのかを感じて、ライブで一期一会を成長できるようにとらえつつ、より良く実践をしていきなさい、という工夫をブッダ的には教えられているんです。


ヒビノ:わたしもタイのお寺に2回くらい行ったことがあるんですけど、瞑想もさせてもらって、すごくビフォアアフターがあったんです。悩んでたことが客観的に見えて、日本帰ってきたときに、いい対応ができるようになった。


で、そのとき思ったのは、瞑想とか仏教というと「集中して内側だけに入る」というイメージが日本人には多い。だけど、全然そうではなくて。世界に心を広げた上での、相手のことも見えてる状態。「覚醒の中の選択・集中」という感じだったんですよね。オープンな世界認識の中で自分としてはどういうことを選んでいきたいのか、生きていきたいのか。そうやって、ひとつひとつ選べるということなんだな、と思ったんです。


7、自己中でも自己犠牲でもない「フラットな自分」



プラユキ:タイのお寺の環境は日本の方にとっては新鮮で。朝の托鉢では、村人や子供達が庭に出て丁寧に食事をお布施して下さる。訪れた方には、そういった新鮮な情報に心と五感を開いて触れてくださいね、と言うんです。


そして、同時に自分自身に起こっている現象(自然現象・・・自分の心も)も、ちゃんと、明晰にはっきりと見るという練習をしていくわけです。また、そこで起こる人間関係においても、より良き人間関係をつくると。メリットはいろいろあるんだけど、異文化に触れると、日本で生きていた自分のありかたを客観視できたり、コントラストが見えてきたり。日本文化ではこうやってたんだ、でも他のやり方ではこういうのもあるんだ、とか。視野が広がる部分があるんです。


ヒビノ:おもしろいですね。自分のなかに内側も外側もあって、主観と客観があって。現象としてい見られるからこそ、大事にできる。


プラユキ:自分だけに目を向けていくと、どうしてもこもってしまう。自己中になっちゃう。外ばっかり見てると、自分はほんとは辛いのに犠牲になってしまう、とかね。自分を疲弊させてパフォーマンスが下がっちゃう。


ヒビノ:真面目な人であればあるほど、そのへんは注意したほうがいいんですよね。人にしてあげようとして、自分をないがしろにしていたり。


プラユキ:そうすると、心の不調にもなっちゃうので、自分も大事に、同時にねっていう。


8、自分のありように満足している人は、ともに喜べる余裕がある



プラユキ:自分も人も、ともに喜ぶ。仏教では「随喜」(ずいき)という言葉があるんですが、自分だけで喜ぶよりは価値の高い喜びとして位置付けられている。グラッドトゥギャザーをともに、していけるっていう。


ヒビノ:個性的なんだけど人に不快な思いをさせない人って、一緒に喜べるし、建設的に普段も仕事も関わっていけますね。


プラユキ:そういう人の特徴は、まず自分のありように満足している。生かされている。自信があれば、あえて人を引き連り下ろしたりもしない。


ヒビノ:そうですね。比較しないから。


プラユキ:そうなんです。人の成功と一緒に喜べる、ある種の余裕がある。自分自身をしっかりと確立していく、らしさをしっかり生きられていると、そういう風に進むのだと思いますね。


ヒビノ:はい。「自分らしさってなんですか?」仏教的な観点から、ありがとうございました。


Copyright © 2016 Keiko Hibino All Rights Reserved.(画像・文章の無断転用禁止) 



ということで、今回はこのへんで。

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わたしは講座を作ることも表現のひとつだと思ってます。
人と生で関わるなかでできていく、
日常に生かしてもらえる
とてもクリエイティブなもの。

「ぽっちり舎」講座では
「表現と生き方」を通して、より明確に、
自分にフィットしたライフスタイルを描き、
現実に作っていくプログラムを提供しています。


わたしが教える回もあれば、
わたしが学びたい人と一緒に学ぶ回もあり。

6月20日はタイ僧のプラユキさんに
「瞑想を通じて、自分と人と良い関係を作る」
をテーマに、自分との対話・他者との対話における
言葉の扱い方を。(東京・阿佐ヶ谷を予定)

7月は詩人でミュージシャンのtotoさんと、
0から1を生み出す、自分のことばの紡ぎ方を。
(東京・銀座を予定)

楽しいことと本気の学びで、土台を作る講座。
一年通してご用意してます。

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◾️プラユキさんの著書

常に活かせる仏教メソッドがやさしい言葉で。
表紙描かせていただいてます。

苦しまなくて、いいんだよ。
プラユキ・ナラテボー
Evolving
2015-10-13





プラユキさん、イケダハヤトさん、わたしの対談共著。

自由になるトレーニング
プラユキ・ナラテボー
Evolving
2016-03-31



近著。美しい装丁と内容が響きます。

自由に生きる
プラユキ・ナラテボー
サンガ
2015-12-25



ファースト本。プラユキさんがなぜタイで出家したか?
歩みが書かれています。




脳外科医の先生とプラユキさんの対談本。
脳の仕組みから瞑想の効能やシステムが
解き明かされてて面白いです。

脳と瞑想
プラユキ・ナラテボー
サンガ
2014-01-27



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