親として一歩身を引くこと


DSC00625

こないだ、大学生に「あの、おにぎりってどうやって作るんですか?」と聞かれた。びっくりした。でも、特に珍しい話ではないみたい。


 「うちの子もそろそろ自分でやらせなきゃって思ってるんです」という言葉を、高校・大学生のお母さんからお聞きすることがよくあるしね。


「子供に~させない」ことが教育ではなくて、「その子が何かをする、そのために自分は一歩身を引くこと」ができるのが、親としてできることなんじゃないかな。わたしは、そう思ってる。


DSC00624

もちろん、冒頭の大学生の親御さんも、料理をさせないくらい大切にお子さんを育ててこられたのだろう。「その子が勉強とか習い事に集中できるように」という意味で。とても想いのあるすてきな親御さんだし、お子さんだと思う。


ただ、生きる力とは、現代的な知恵に加えてサバイバル能力・食べる力も含む。できれば両方から育みたい。

その大学生の子は、自分自身で「わたしは、母親から自立できていない気がするから、もう少ししたいんです。だからお弁当を作ろうと思って」と言っていた。
すてきな子だなと思った。だって、普通は自分がそういった状況にいることすら、気が付かないから。


 「毎日おにぎりだけでもいいから、作って学校に持っていくうちに、もう少し、もう少しっておかずも作れるようになって、お弁当も入れられるようになるよ。例えば、こんなレシピサイトもあるから参考にしてみたら・・・」そんな話をしながら、笑った。


きっと、あの子は自立できるだろう。親御さんも少しずつ、育っていこうとする子供との距離を適切に取れてゆくといいね。

息子と春休み弁当な日々



さてさて、近頃は春休みである9歳の息子と毎日、お弁当を製作している。今日のはこれ→日々の食卓「サンドイッチべんとう」 

IMG_0004

わたしは「息子が自発的に・・・」という願いもありつつも、一方で「気が抜けすぎた親」でもある(笑)だからこそ意識して、春休みのテーマを設定してみた。


息子は、好きなことはガーッとやるタイプだけど、興味のないことは、とにかくめんどくさがるタイプ。嫌がることをさせようとすると、「ぜーったいキライ!やらない!ぷい!」となるので、勉強でもなんでも、強制はしにくい。

だけど、将来的に、自分でやりたいことなり、やるべきことなりを自分から考えて行動する人になることは大事。そのためにはどういうツールがいいのかな?と考えた。
 

IMG_0010

彼が好きなのは、ゲームと外遊びと、料理。料理なら一緒にできる。

料理は、ただ「おいしいものを作る」という以上に、


・段取りを考える

・レシピなどを調べる

・自分でやってみる

・もっとおいしくなるように、工夫する


という能力が育まれる。さらに、特典として、


・たのしい

・おいしい

・生きる力が育まれる

・誰かと分かち合いたくなる


ということまで付いてくる。

IMG_0011


さらに、うちの場合は裏山にはえてる野菜とか、自分ちで作った米とか、誰それさんが作った卵とか肉とか・・・を手に入れることができるので、より食べることと生きることについてのリアリティがあるだろうね。


前の日の晩から「明日のお弁当のおかずはねえ、これとあれとー」と考える息子を見ていると、かわいい。毎日、お弁当を作るごとに、今までは「けいこちゃんあれとってー」と甘えていたのが自分で調味料や野菜を冷蔵庫に探しに行くようになり、味付けも「けいこちゃんやってー」と言ってたのが「自分でやるが」となり、盛り付けも「どうだ!この景色をみよ!」とかいいながら率先してやるように。



段取りも、自然と考えられるようになり、動きも必要な時にパッとできる。 「うわ、すごいねー」「めっちゃいい焼き加減やね」と言っていると、だんだん自信も湧いてきて「そーたは、料理得意やきね!おとなになったら、実況カフェをするが」と息巻いている。(ちなみに実況カフェとは、YouTubeで実況ゲームをしながら、カフェをするということ)


メニューは?と聞くと、「もちろん卵かけごはん屋さん。鶏を飼うところからやるが」ということだ。


DSC00623


まあ、こんなことをしながら、ちょっとずつ自分で考えて動ける子になっていけばいいな。と思いつつ、今日も「どこで食べる?」と聞いたら「山の、ひなたぼっこスポットやろ」と連れて行かれた。


「さいこーやね」と言いながら、満足気な息子を見つつ、お弁当をたべてふうーっとする。お母さんは、これから仕事。時間はキワキワだけど、毎日こうやって、息子と一緒に何かできる時間も大切。


わたしはあまり上から指示しないので、お母さんらしくないかもしれない。でも、横に並んで一緒に楽しみながら、時間を過ごしたり堪能することは得意。そして、本気で、素直に、「すごいね。おいしいね!」とは言える。「明日はもうちょっとだけこんな風に工夫してみよっか!」と作戦も立ててね。
 

DSC00611

 

おにぎりを作れる子。お弁当をつくれる子。生きてく力をたっぷりと。
シンプルだけど、大事なこと。



親がしてあげることばかり考えるのではなくて、

子供が自分でできるスペースも、空けてあげよう。



さあ、明日はどんなお弁当つくる?




◾️「ヒビノケイコが愛用するキッチン道具Best10」日本の老舗の逸品~最近のヒットまで

◾️自然派菓子工房オーナーとしてオススメする「質の良いお菓子材料・サイトまとめ」



◾️自分にぽっちりな”暮らし・仕事・子育て”をヒビノケイコと一緒に学び、考える自主開催講座。こちらにご登録を→メルマガをはじめます「ぽっちりライフを描こう」
 


◾️ヒビノケイコのプロフィール・執筆&講演履歴と依頼はこちら


■ヒビノケイコ4コマ新聞のFacebookページやツイッターでは、ブログ記事で書いていない情報も発信中!
はじめての方で「いいね!」と思っていただけましたら、一押しお願いします。

このエントリーをはてなブックマークに追加




◾️2刷目再発売、よく売れてます。都会から山奥へ、30代移住9年目。田舎暮らし、起業、子育て、地域のお付き合い。楽しさも悩みも、すべてつめこんだエッセイ漫画。






◾️「ヒビノケイコが最近読んだ本10冊」

◾️私がオーナーをしている自然派菓子工房「ぽっちり堂」山の素材で手作りした優しいお菓子ギフト・内祝いを全国通販してます。