別府。こんな広い海と空の中で、あたたかい砂に埋もれていると、泣きたいくらい・・・いや笑いたいくらい、自分は「身一つ」なんだなあって感じる。砂湯ではいらないものがデトックスされて、体から全部出て行くようなサッパリ感を感じた。そして、あとに残るのは、ほかほか。
人間には、身についたことしか残らない。
だけど、身につけなくて、いいこともある。
身につけることには、手間がかかる。
だけど、身についた”余計なもの”を落とすことにも手間がかかる。
自分を資源として活かしていくなら、そのへんからはじめないとなあ。そんなことを思いながら、砂をシャワーで落とし、温泉につかって、帰りのフェリーでぐっすり眠った。
茶道とファミコン
ヒビノケイコ@hibinokeiko
博多でAirbnbに泊まってみたら、懐かしのスーパーファミコンがあった(>_<)はやく仕事終わらせてやりたいー!のに、全く終わる気配なし。えーん、マリオ。。(・_・、) https://t.co/686kquMrFX
2016/03/12 21:00:17
こないだ、福岡で滞在したマンションには、スーパーファミコンが。息子は初めてで物珍しく、わたしは「小学生の頃、よくやったな〜!」と懐かしくなり、対戦してみたら・・・なんと、息子に勝つことができた!
最近のゲームには興味がなくて、ことごとく負けてしまう。だけど、やっぱり小さな頃身につけたものは体が覚えてるんだなあ。まるで「走ろう」と思ってなくても、勝手にBダッシュしてしまうように(あ、これファミコンか)。
身についたものはブランクがあっても、すぐに体で思い出す。
先日九州で自主開催講座を行った際、参加者さんとお話ししていると、以前火事に合われたことがあるという。そして、「モノはなくなってしまう。人間は結局、身についたものしか、残らないんだと思いました」とおっしゃっていた。
確かに、そうだなあ。わたしも普段から、お金を使うなら、ただ消費してしまうより、身につくことに使いたいと思ってる。学んだり、誰かとクリエイティブな時間を過ごしたり、旅に出て知らない暮らしを体験したり。
小さな頃は親の方針で、たくさんの習い事に毎日通っていた。ピアノ・お習字・バレエ・絵・茶道・水泳・そろばん・テニス・英会話・・・。その中で、今も役立ってるなあと思うのは、やっぱり自分で選んで身につけたものだ。
小さな頃、大好きな画家の先生のおうちに通って、絵を習った。少し鼻に付く油絵の香りは今もありありと思い出せる。今の仕事にもそのまんま役立ってる。
あとは、茶道。茶道は、高校生の時に日本の伝統工芸が好きで初めた。大きな竹林と池が見える茶室、季節のしつらえ、和菓子、お茶の濃い緑。こぽこぽ・・静かに止まった時間。
茶道は社会人になってから、子育てや仕事との兼ね合いで、休み休みに。ただ、不思議なことに何年ブランクがあっても「さあやってみなさい」と言われて袱紗をさばきだすと、するする~ってできたりする。
お茶を点てるリズム、次の所作から次の所作へ、体が勝手に紡ぎ出してくれるのだ。これには本当に驚く。茶道は、日常の中で、お花を飾る時も、誰かをおもてなしする時にも、役立ってる。
そんな風に、確かに身についたものは、無意識のところから、勝手に起動する。
身につけなくていいもの
ただ、最近は、「身につけたもの全部が全部、有用なものとは限らない」ということにも気がついた。スーパーファミコンはその象徴かもしれないけど、特にわたしの人生に役立ってない(笑)そんな風に、誰にだって、身につけなくて、いいものがある。
「健康にいいよ」って言われたからって、なんでもかんでも食べ過ぎると、逆に不健康になってしまう。それと同じで、なんでもかんでも情報を入れれば、賢くなるわけでもない。(がーん!)
だから、誰かじゃなくて、自分に必要なものを厳選すること。
身についた余計なものを、落とすには?
身につけることには、手間がかかる。
一方で、身についた”余計なもの”を落とすことにも手間がかかる。
なんでこんな風に言ったのかというと、自分が長年のうちに身につけてきた、思考や体のクセに「困ったなー」と思うことが、あるからだ。自分の解釈や、受け止め方が、いかにねじ曲がってるか。いかに、思考のクセで見てるか。
せっかくたくさんの本を読んだり、誰かの話を聞いても、学んでも、取り入れるためのフィルターがゆがんでいると、正確にとらえることができない。
学んだものがどうズレてるのか?これに気付くことがまずは大事。それは取り入れたことを仕事で実践してみた時に、よくわかる。
次に、「自分がうまく機能してない・・・」と思った時は、どこがどうかけ違っているのか、自分ではわからないもの。だから、メンター七福神と話して、客観的に手厳しくアドバイスをもらう。(関連記事自分で作るセーフティーネット「わたしのメンター七福神」苦しい時、客観的に見てくれる人を持つ)
最近は、仕事仲間にアドバイスをもらいつつ修正しながら、試行錯誤することが多い。そういう環境がありがたいなあと思いながら、ちょっとずつ進んでる。
そんな風に、周りに客観的に見てくれる調律師を作っておくことが、とても大事。
いつも、楽しくてワクワクして、最高〜!って思いながら物事に立ち向かえたらいいんだけどね。たまには、ちょっと苦しい作業も超えていかないと。
そうか、砂湯の砂の重さに耐えながら、足元からはあったかいお湯が沸いてくる、あの感覚。ちょっと似てるな。
もう一段、レベルをあげるためには、自分の不要なクセを外すこと。
曲がったり、詰まったフィルターを、素直にまっすぐ通すこと。
いらないものは取り外し、必要なものは貪欲に吸収する。
大人になっても素直な自分を作っていきたい。
最後に質問。
あなたが落としたいものはなんですか?
そして、あなたが身につけたいことはなんですか?
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