自分で作るセーフティーネット「わたしのメンター七福神」苦しい時、客観的に見てくれる人を持つ : ヒビノケイコの日々。人生は自分でデザインする。

◾️調子が狂ったとき

「けいちゃんには、媚びないでほしい」

仲良しの経営者、あっちゃんに言われた。

「え？わたし媚びてる？」

「えっとね、媚びてるっていうよりも、人に寄り添おうとしすぎに見える」

わたしは、ときどき調子が狂うことがある。

どういう時か振り返ってみれば、あっちゃんが言う通り「人の求めていること」に寄り添おうとしすぎ、自分を見失ってしまう時だ。しかもその末に「え？そこ？」と、誰のツボも押さえていない、的外れなことをしてしまう（笑）

あっちゃんには心から素直になれるので、「毒舌」ふくめ、本音で思っていることをスパスパ話せる。こっちは「こんなこと人に言っていいのかな？」とヒヤヒヤしながら話しているのに、あっちゃんは「あはは！それでこそけいちゃんやで！」と喜んでくれる。

「あなたは、そのほうがいいよ。そのサバサバ感、人とは違う脈略。感じ方。筋が一本通って生きている姿。そこが好きなの。」

「でも、こういうの、わがままじゃない？人の気持ちも究極わからないって、なんか冷たいような気もして。じゃあ、自分には何ができるんだろうって思う」

「うーん。でもね、周りからすると、けいちゃんには寄り添ってほしいと思わないんだよ。そこにニーズはないから頑張らないで（笑）いつものサバっとしたスタンスの方がキャラにあってる。その上で核心バシッとついてくる武士っぽいところも含めて、一緒にいたいと思う。けいちゃんが、のびのび楽しそうにしてる感性を見ていたいし、その姿が一番人のためにもなるんだよ」

ふむー。自分のことはほんとに、自分でわからない。心から信頼し尊敬している人と話す時には、自らを客観的にとらえなおす練習をさせてもらっているみたい。

◾️メンター七福神

わたしには、メンター七福神がいる。（これはわたしが勝手に心の中で呼んでいるだけなんだけど）あっちゃんもそのひとりだ。

経営のことを相談する人、心のことはあの人、体のことはあの人、家庭のことはあの人、表現のことはあの人・・・・というような感じで。

要は、自分の頭がぶっ飛びすぎてる時シラフに戻してもらう「超フラットで冷静な人たち」。経営者もいれば、アーティストもいれば、お坊さんもいる。友人として付き合いが長い人がほとんどだけど、時々、出会いによって更新されてゆく。持ちつ、持たれつの関係性もある。

ふだん、基本的には、人の意見は聞きつつも、自分のことは自分で考えて決めることにしている。だけど時々、ダメダメな時だってある。

自分の頭が「ちょっとバグってるな・・・」とか、「なんかやばい」「なんか苦しい」「なんか変」「でも自分ではどうしていいかわかんないし、止まらない」という危険を察知したときに話したり、会ったりする。

そうして、わたしは、彼らに守られてる。

◾️苦しい時は、苦しいことがわからない

苦しいときって、苦しみのサイクルにはまりすぎて、もはや苦しいことにさえ気がつかない。だけど、なんとかそこだけは気がついてあげたい。

昔、大学時代の先生に「苦しい時、助けて欲しい時。声をあげなければ、周りの人は何かしてあげたいと思っていても、助けられないよ。だから、ちゃんと苦しいときには、声をあげるんだよ」と教えてもらった。

ふだん、自分を信頼することは大切だけれど、調子が悪い時というのは、心の動きをあまり信頼しない方がいい。一人でなんとかしようとしすぎずに、誰かに一声かけること。

わたしの場合、彼らに話をすると「は！！！」と目がさめる。「ああ、客観性を見失っているなあ。こういう視点がないなあ」と気がつく。そして、「ああ、そんな切羽詰らずに、もっとラクで暖かい空気の中で生きていてもよかったんだ。良いサイクルってこういうものだったなあ」という手がかりもみつかる。あとは自分でなんとかする。

それは、ふんわりとしたすてきなお香の香りをかいだときに、心にしっかりとどめて、忘れないようにする感覚に似ている。体に覚えさせた良い香りをたぐりよせて、自分の現実を少しずつ、少しずつ、またよい香りで染めていく。