たまたま、チケットをいただいたので久しぶりに映画館で映画を見てきました。家族3人で。

「はなちゃんのみそ汁」という映画です。


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ストーリーは実話↓

はなちゃんのみそ汁
安武信吾・千恵・はな
文藝春秋
2012-03-13




 

恋人との何不自由ない幸せを夢見ていた千恵はある日、乳がんを宣告される。見えない不安に怯える千恵に信吾は優しく寄り添いプロポーズをする、こうして2人は晴れて夫婦となった。


抗がん剤治療の影響で卵巣機能が低下、出産をあきらめていた千恵だが、ある時妊娠していることが分かる。産むか産まないか―産むということはがんの再発リスクが高まり、自らの命が危険にさらされるということだった。


周りの支えで命を懸けて産むことを決意し、はなを無事出産。


しかしながら家族3人、幸せな日々は長くは続かず、千恵を再び病魔が襲い、余命があとわずかと判明。私がいなくなってもはなが暮らしていけるようにと、千恵は鰹節を削って作るところから始めるみそ汁など料理や家事の大切さを教えはじめる。


彼女たちのおいしくてあったかい、かけがえのない日々が続いていく。
(出典 
http://hanamiso.com)

この映画の感想、6つに分けて話していきますね。


1、夫婦の愛


この映画は、原作やドラマでは「玄米菜食でガンが治るとみんなが誤解するといけない」なんて物議を醸したものでもあるんですが、まあそういう部分の正しい、正しくない論争は置いておくとして・・・

 

わたしはそういった部分以上に”夫婦の愛のあり方”としての深さに、感動してしまいました。


 何度もびゅっって涙が出て大変で・・・でも、見終わったあと、「いつも隣にいる人がこんなにありがたいなんてな、大事にしないとな」と思い、ちょっとだけ夫婦仲が良くなったので、皆さんにもおすすめします(笑)


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2、ここまで人を愛せるのは、すてきだなあと思った。


女性が若くしてガンになり、乳房を切除しても、子供ができないと言われても、結婚する意思は変わらなかった旦那さん。


 一緒に楽しむだけじゃなく、一緒に苦しむ。


暮らしを大切にしながら、1日、1日、流れる時間を大切に分かち合っていく。ここまで妻を愛せるなんて、すごいなあと思いました。愛される喜びにいつもは目がいきがちだけど、”愛せること”のすごさを感じたのでした。


ちょっとその辺でチャラチャラ軽口たたいてる恋愛ジャンキーの男、これ見てみろよ!って思ってしまいました・・・(笑)


3、自分が死んだ後、子どもになにを遺せるか?



このお母さんは自分が死んだ後も子どもが健康で楽しく生活していけるように・・・と、「お味噌汁」を中心とした「自分で作り、食べること」「家事」を身につけさせていくわけだけど、「自分だったら何にするかなあ?」と考えてみました。


まず、毎日の中で”生きる姿勢”みたいなものは伝えたいなあ。能動的に人生と関わって、人や何かのせいにしない。自分が今ここでできることをする、楽しむ、仕事も作っていく、そういう姿勢。


あと、人。子どもと色んな人とつなげておくかな。わたしが死んだあとも、生きる上での知恵とか、仕事をする上での知恵とかを、その都度その都度教えてくれるような人。楽しく生きてる多種多様な人たちが、見守り、助けてくれるように。彼が自分で学び生きていけるように、そういった人という財産、環境を遺したい。


もう一つは、瞑想かなあ(笑)これはやっぱりどんなことが起こっても自分で受け止める力を身につけられる。結構重要な心スキル。


最後に、毎日ぎゅーってさせてもらうだろうな。もうお兄ちゃんになってきたので振りほどかれそうだが・・・。「こんなに愛されてた」という記憶を覚えていてほしい。辛いときに思い出せるように。そんな風にきっと、遺したいものは、人によって違うと思うんです。


”わたしなら、子どもにこれを遺したい”


考えみてください。そして今日からできることは、やればいいのだと思います。(わたしは、ぎゅっとして、かわされてますが・・・(笑))


4、これだけ次の展開が読めるストーリーなのに、それでも感動できたわけは


何も予備知識なく行ったわたしみたいな人でも、だいたいね、その映画を見てるとストーリー展開が読めるんですよ。


「がん検診には行った方がいいよ」というメッセージも汲み取れるので、時々「ひょっとしてこれ、懐かしの啓蒙映画?」とよぎったりもする。基本的に、わたしが苦手とする部類の映画です。


だけど、それでもびゅっって涙がでる。それは、たぶん一コマ一コマのシーンの情景がとても良いからだと思うんです。エッセイ的なじわじわ感でその世界に入っちゃう。特に、子どもがいるなど設定が似てる人は、自然と重ねて投影してしまうと思います。

5、カッコよくなさすぎてステキな滝藤賢一さん、加齢とともに味が出る、すっぴんに近い広末涼子さん。


 

広末涼子さん、全盛期の若かった頃はあまりピンとこなかったけど「おくりびと」然り、こういう生死が描かれてる映画がとても似合うなあ。年を重ねて、味が出てきてるなと思いました。加齢とか様々な経験が良い方に動いてるというか・・・この映画では闘病という設定もあるので、すっぴんメイクなんですよね。でもその、うっすら見えるシワが、いい味出してる。


そして、旦那さん役の滝藤賢一さんが、この映画のキーになってる。ふつうは映画の場合、ビジュアル的にもうちょっと色気があって、かっこいい男性が出てきてもいいじゃないですか。でも、いい意味でまったく色気が無く、どこもカッコよくないんですよ。このクタクタ具合、ここまで出せるなんてすっごいな!と思いました。リアル。

その代わり、彼が醸し出すお笑い要素は多くて、笑わせてくれるシーンがいっぱいある。そのおかげで、子どもでも「わははは」と笑いながら、シリアスなシーンも乗り越えて見られました。
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6、小さくてもあなどらないで、子どもと一緒に映画を見る


映画から帰ってきたら、息子が「料理したい」と言い出しまいた。普段から料理好きなのですが、熱が上がったようでクッキングパパを10冊くらい持ってきて一気読み。一緒にロールキャベツを作ったり、お味噌汁を作ったり。

自分より小さなはなちゃんが、一生懸命テーブルに配膳していた様子を見て、息子も配膳まできちっとやってくれるようになって、ごはんも丁寧に食べてる・・・家族で映画を見るっていいなあ~と思いました。↓12歳になったはなちゃんの料理本の存在も知り、「マニアックな子に育ったなあ〜」なんて言ってましたよ(笑)


はなちゃん12歳の台所
安武 はな
家の光協会
2015-11-17


うちの場合、わかるのかな?という年齢から映画も美術館も、いけるところには連れて行ってました。で、わかったことは、小さくてもちゃんと理解して、しっかり観てるってこと。子どもなりに感じて、ずっと覚えてる。そして体に浸透し、センスとしてでてきます。


子どもをあなどらず、一緒に見れるいい映画は、家族で見るといいなあ、そう思います。



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