読者さんから、こんな質問をいただきました。

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恋愛しているとき、「好きだなあ、しあわせ～」というくらいの穏やかな感じを味わって終わりならいいんです。でも、わたしの場合、

「好き！ずっとそばにいてほしい」

「気持ちいい瞬間がずっと続いてほしい」

「いなくなったら苦しい～つらい」

「これがないと生きていけない」

そんな大きな感情に突き動かされ始めます。そして、感情に振り回されるジェットコースターの中へ突入してしまい、気持ちいいようでつらくなる。そうなると、いつの間にか「自分のため」に相手に求めることが増え、相手をコントロールしたくなってしまいます。

感情に振り回されず、大切な人を、本当に大切にするにはどうしたらいいのでしょうか？

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ありがとうございます。そうですね〜。プライベートでも、辛い恋愛、叶わない恋愛、「こじらせてます」話、よく相談されます(*･ω･)ノわたしも、もともと散々こじらせてきた一人なんでよくわかります（笑）

今回の相談は、タイの僧・プラユキナラテボーさんとの対話で答えていきますね！

◾️欲と慈悲。恋愛もエネルギーのひとつ

ヒビノ「う～ん、確かに恋愛だと、こういうことってありますよね。基本的には、近付けば近付くほど、欲が出てきます。でも、それがその人の幸せにつながるか？考えてみると、そうでもないことがあるという。どうしたらいいと思います？」

 

プラユキさん「そうだね～。愛の中でもまずは『愛執』と『慈愛』の違いをよく認識することだね。もっとわかりやすく言えば、欲と慈悲の違いだね」


ヒビノ「欲と慈悲ですか？」

プラユキさん「そう。欲で突き動かされている時は、自分が相手にしたことだけで満足できないんだよ。相手の行動に対して、結果を求め出す。反対に、愛をもとに慈しみを持って行動している時は、自分が相手にしたことだけで満足できるかんじ。相手の行動については、手放していけるんだよ」

ヒビノ「欲か慈悲か、微妙な違いを選びとっていく感じですね。それって、大きな感情がやってきた時に区別するのが難しい気がしますが・・・」

プラユキさん「そうだよね～。ま、例えば恋愛だと、喜びとか快感が訪れた時に有頂天になっちゃったり、われを忘れてしまうことって多いから。そんな時、感覚を味わいつつも、はまっちゃわないで、そのエネルギーをいい方向へ活用していくってこと」

ヒビノ「ほ～。つまり、感情も快感も動揺も、全て自然のエネルギーってことかあ。その自然のエネルギーを、しっかり受け止めて、展開していくと」

プラユキさん「そうそう。どんな感情もエネルギーだからね。扱いを洗練させていけばいいんだよ」

ヒビノ「恋愛ってすごいエネルギーだから、その中で中立的に感情をとらえるってすごく難しい気がします。恋愛中はその空気に酔っていたいし、できた試しもないです（笑）でも、本当に相手のために行動できるようになるには、それが土台にもなるんですね。ある意味で、物理的には相手を失う覚悟もいるのかもしれないなあ」
 

◾️欲しがるばかりじゃなく、自分の中にも生み出す

 

プラユキさん「そうだね。あとね、エネルギーの活用・展開でいえば、相手の中にすばらしい部分を見た時。それを自分のものにしたい！と欲しがるんじゃなくて、自分の中で育ててもいけるんだよ。たとえば誰かを見て、『爽やかな人だなー』って感じたとき、ちょっと自分の気分を感じてみるといいよ。爽やかさは相手にあるだけじゃなくて、自分の中にも生まれてきているのがわかるから。そしたらそれをしっかりと育ててあげればいいんだ」

ヒビノ「自分の中に育てる・・・そういう技もアリなんですね。相手にあって自分にない、じゃなくて、相手の中に見えるってことは、自分の中でも生み出していけるってことかな。そしてそれを育てていけるんだ。生産的」

プラユキさん「そうそう。どんな人にもいいところもあるし、未熟なところもある。だからそれを自覚して、いいところは自分の中でも育てていく。相手の未熟なところは自覚化して、自分にとってよりよい成長の材料にすればいいんだよ」

ヒビノ「これ以上ないくらい距離が近付く恋愛関係だからこそ、そんな展開を練習をするチャンスなのかも、ですね。自分の中の情動や感応も味わいつつ、その上で自分にも相手にもいい方向性を選んでいけるか。それは厳しい勝負ですけど・・・！」

プラユキさん「そうそう。情欲から友愛へ、そして慈愛へとシフトしていくかんじ。ジャンクな大味な感情の味わいから、より繊細でかみしめるほどおいしいような関わりの味わいへ。そうやって成熟された深みのある、大人な関係性を積み上げていけるとよりすてきな世界が見えてくるよ」

ヒビノ「そっかあ（笑）でもねー、情欲も楽しいからなあ・・・。かといって、ずうっと欲で進むと上がったり下がったり、追ったり追われたり。積み上げていけない関係で終わるとそれも悲しい。一生こじらせてるんじゃなく、ある程度の段階で、その成熟なる大人の楽しみってものに、シフトしたいもんですねー」

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