早く産んで、よかったねと言われるけれど


先日、文科省が高校生向け教材で出した「女性の妊娠しやすさ」グラフについて、いろいろ話題になっていた。20代前半が妊娠しやすいから早く産みましょうって言いたかったのかな。少子化対策の一環でこういうものを作ったみたいだけど、なんだかなあ・・・。

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わたしは23歳で結婚し、24歳で子どもを産んで、今息子は9歳。

独身のキャリアある友人たちには
「ケイコはいいよね〜。早く結婚して、さっさと子どもも産んで。今からいくらでも仕事に集中できる。わたしは今から自分のキャリアを中断することが怖くて、結婚するのも怖いし、子どもを作るのも怖い。あんたはほんまにうまくやったな〜」とよく言われる。


そう言われると、「う〜ん、そうかなあ・・・」とちょっと考え込んでしまう。わたしは彼女が思っているほど、計画的でも用意周到でもない。結婚も妊娠も、そういう流れがきたから、ありがたく受け入れたという感じ。


24歳〜30歳頃までは子育て中心の時期で自由に働けなかったし、彼女のようなキャリアもいろいろなスキルもない。これからつけないといけないなあ、と思う能力はいっぱい。


 自分が赤ちゃんを一日中だっこ、おむつ、おっぱい・・・としている時に、仕事もバリバリやって恋愛もして自由に遊んでる友人が、うらやましいと思ったこともあった。もっと自分が精神的に大人なら、さらにいい親になれたんじゃないかとも罪悪案のように感じた。


また仕事に取りかかれるのかな?と不安だったし、子どもがいて家庭があってこの地域に住んでいて、それでも自分らしくいられる仕事は?と条件の中での最大限を模索する毎日。(参考:
 「自分がわかってないこと」に気がついたらへこむ?喜ぶ?「その仕事に何を求めてるか」わかった時お菓子ネットショップの仕組みを変えた
 

早くても遅くても、どっちもどっちで、足りない面も良い面もある。体的には、いつが一番妊娠しやすいか、流産しにくい確率は変わるかもしれない。考慮したとしても、子どもを産んで育てるということは、それだけのことじゃない。


経済的な環境や精神的なこと、仕事やパートナーとの関係性も含めて考えると、いつが出産にベストかってことはその人によるし、「これ」という正しい答えはないんじゃないかなあと思う。


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まあ、あえていうなら、妊娠したと分かったとき、どんな状況でも自分と相手が喜べるといいよね。


セックスは妊娠のためにするわけではないし、それだけを目的にしたことはない。軽いもの、重いもの、対話のようなもの・・・いろんなセックスを楽しめばいい。


ただ、自分が「避妊しよう」と言った時に相手も納得して大切にしてくれる人としかしたことはないし、信頼関係を持って何度もする人は、妊娠したとしても「うれしい、育てよう」と喜んでくれる人がいい。


子どもを育ててみて感じるのは、ほんとに面白いってこと。かわいいってこと。大変なことも同時にたくさんあるけれど、かけがえがない。


だから、もしも妊娠した時には喜べて、誕生した時に喜べて、まいにち過ごすときに喜べる方がいい。子どもはそれだけの存在だからこそ、その存在を大切にし合っていける相手と紡ぎたい。

いつだって制約の中でなんとか育てる

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命のことはそんなうまくいくものでもない。 「いついつに生まれてほしい」と計画的に願ったところで、その通りにならないことの方が多い。無事に誕生するだけでも奇跡だ。


もし、授かって無事に生まれても、最初から「子どもも自分も」大切にできるだけのスキルを兼ね備えている親なんていない。やってくる球を打ち返し、その子の命をなんとか大切にしつつ、自分もなんとか制約の中で大変な時期をしのいで過ごす。


そうやって鍛えられ矛盾も含みながら、一緒に育っていく。必死だけど楽しく、振り返ればネタになっていて、わが家ならではのスタイルも出来上がってゆき、子どもが成長するたびに自分ができることも増えていくことを感じる。(参考:「逆境の時が進化の時」子育て、仕事。制約が自分の可能性を広げる

「働く」から離れてはじめて気がつくこと


そして、離れてみてはじめて大事なものがわかることもある。


友人は、30歳を超えて妊娠するまでずっと「早く子どもがほしい、できたらストレスが多い今の会社はやめたい」と言っていたが、実際に赤ちゃんが生まれて産休に入ると、「どれだけ自分が働くことで得ていた充実感があったかわかった。早く復帰したい」に変わった。


反対に、ばりばり働いていた友人が、子育てをしてみたらすごく主婦という状態が合っていて・・・ということもあった。


わたしの場合は、そういう友人をみて「やっぱり3歳までは家でみてあげたい」と勝手に理想を描いて実践してみたら「子どもはかわいいけど、働きたい・・・!」が勝り、2歳で保育園に入れたらお互いによかった、という体験がある。


そんな風に、意外な自分に気がつくきっかけにもなるのが出産育児。妊娠も出産も育児も、ベストはそれぞれが違う。


ひとりひとり違う女性が子どもを産んでも、自分らしくあれる・自分らしく働ける環境がより整っているといいなって思う。


「正しいもの」をあてはめて、なんか違う・・・と辛い人が増えるより、自分に合ったタイミングや環境を選んだお母さんが笑っていられることが、子どもの幸せにつながると思うから。


揉まれながらも成るようになってるわたしは、今そんな風に感じています。


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