
私が暮らす「高知県嶺北地域」の「タオカクリーニング」3代目社長、上地正人さんとの対話vol.2。5回シリーズで掲載していきます。「田舎の小商い①」レトロなクリーニング屋を継承した若者「挑戦してもがいてから判断しよう」ストップをかけるタイミングは一つズラす位がちょうどいいの続きです。
上地さんは、私よりも若い経営者。子育てや地域活動もしながらも、常に新しい発想を持ってこの山奥で自営業を発展させておられる姿は、本当にすごい。山奥で暮らしている方のお話は、なかなかメディアに出ることがありませんが、実はとても面白く、力強く深い。お伝えしていけたら嬉しいです。

■第2 回目の話のポイントは、この3つ。
1、失敗に対する線引き・引き際ってどこですか?
2、聞きにくいけど大切な、資金繰りの限度のこと。
3、自営業は休みにくいからこそ、休む時にはしっかり休む。
それでは、どうぞ~^^
■失敗に対する線引き、引き際ってどこ?
ヒビノ:上地さんの中で、失敗への線引きってありますか?
上地:さすがに、そこで本人がしんどくなったら引いたほうがいいと思いますね。やっぱり「楽しくない」っていうのは何かが違うと思う。仕事も、他の活動も。例えば、しんどいことを越えた先にまだ目標が見えているんやったらやったらいいと思うんです。でも、先行きも見えんしんどさの時は、引くのも大事っていうか。
ヒビノ:あはは、すごく分かります。引き際ってありますよね。経営とかしてたら、その見極めもめっちゃ重要(笑)
上地:とどまったばかりに、ヤケドしたってことが結構ありますよね(笑)
ヒビノ:私もあるある。痛い目にも少々あう。でも、だんだん大怪我しないように「上手くこける方法」が身についてくる。それは大事だと思うなあ。
■資金繰りの話。「当事者だけど、当事者じゃない」と思って客観的に
ヒビノ:ちょっと突っ込んだ話になっちゃうんですけど・・・失礼でなければ教えてください。事業していると、時には借り入れも必要になりますけど、その限度も決めてらっしゃいますか?
上地:それはもう、決めてますね。これ以上やっても、先があかん!というラインは決めてますよ。借金返すためだけに仕事せないかんのはイヤなんで。このペースでいけば、何年後には減価償却もできて、とかふまえてね。
ヒビノ:ちゃんと考えておられるんですね。商売してると、時々お金の感覚って分からなくなることがある。とりあえず、支払って、入ってきて、支払って・・・・流れてく。ふと気がついたら、もっと大きくしよう、大きくしようっていう謎の方向性に乗っていたりね。これだけ投入してもOKっていう線引きが分からなくなってきて、やりすぎて困る状況になる人もいる。私自身も、いつも思いなおすんですけど、身の丈を考えて、ラインを持っておくことはすごく大事ですよね。
上地:わかるわかる。だから、僕がすごく大事にしてる感覚は「客観的にみないかん」ってことです(笑)「当事者だけど、当事者ではない!」ってね。
ヒビノ:あ~、それめっちゃ大事!(笑)いつまでも追われる感じになると、仕事がしんどくなっちゃう。金銭的にもあまり追われない状況を作ることは経営者として大事なことかなと。

■休むときはしっかり休み、仕事をする時は恋人のようにする。
上地:そうなんですよね。時間においてもそうで、自営業者の場合って仕事が恋人で、合間なくいつでも「仕事!」という人も多い。でも、ぼくの場合は性格的に何日にいっぺんは休みもいるし、休むときにはしっかり休んで、仕事の日には仕事が恋人と思ってしっかりやる。それを大事にしてますね。
ヒビノ:長いことやろうと思ったら、無理しすぎず、緩急つけるのは重要ですよね。
ご家庭も大事だし、2人もお子さんがいらっしゃいますしね。
上地:そうそう。家庭もほったらかしにしたくないです。他の地域の活動もしてますし、時間をどう使うかはかなりのテーマです。
___(第2回目終わり。続く)___________
ということで、第2回目はココで終わり。田舎の自営業の実態と面白さ、感じていただけたでしょうか?先日の記事地域創生「田舎の小商い」地域を救うのは成功事例のマネでも、ものすごいアイデアでも、カリスマヒーローでもない「小さな経済を自分で作れる人の存在」でご紹介しましたが、私はこういった一人ひとりの地域の方が、これから未来を作るカギになってくると思います。第3回目のテーマは、若者の田舎暮らしでネックになってくる「地域活動・自営業・家庭のバランスどうとってる?」について。後日UPしていきますのでお楽しみに~!
■第1回目インタビューはこちら→「田舎の小商い①」レトロなクリーニング屋を継承した若者「挑戦してもがいてから判断しよう」ストップをかけるタイミングは一つズラす位がちょうどいい
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■著作エッセイ漫画 山カフェ日記~30代、移住8年。人生は自分でデザインする~ [コミック]
■私がオーナーをしている、自然派菓子工房「ぽっちり堂」
山の素材で手作りした優しいお菓子ギフト。