■自営業や小商い「小さな経済が自分で作れる人」が多数生まれることの重要性。


先日、「カフェ経営はゆるふわじゃないって記事をかきました。これが、ものすごくヒットして拡散されまくってます。ここで、私が言いたかった主軸は「イメージだけではなく構造を理解した上で自分で考え動いてやっていこう」っていうこと。
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一般的な大メディアなどでは、どうしても理想的なことばかりが詳細を省いて紹介されがちなので、リアルなところも含めてカフェ経営の詳細と、構造を提示してみました。良い所も、難点も含めて考え、それぞれが自分の適性にも合った小さな仕事を作っていってほしいなと願ってます。

講談社
2015-05-21



こないだもご紹介したモーニングの連載漫画「インベスターZ・三田紀房氏著」の続き↑では、前回の喫茶店経営からつながって、今回は「自営業」「小商い」の大切さがテーマとなっていましたね。

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(出典・モーニングNO25インベスターZより)

高知県では自営業者が多いんです。「自営業や家族を養えて暮らせるくらいの小商い」って、実はとても大事なものだと感じます。「特別な人だけが、かっこよく起業☆」みたいなイメージではなく、もっと地味でいいから今の時代でもやっていける「小商い」ができたらいいなって。


以前私に「安定した職以外を選ぶなんて、なんて家族に対して無責任な」「公務員か大企業が一番いい」と真面目に諭してくださった方がいらっしゃいました。その方の人生において、リアリティを持ってそう感じておられ、私のためを思ってご助言して下さったんだなあと感謝しました。


一方で私個人の考えとしては「小さな経済が自分で作れる人が多数いること」が、根本的にはものすごく重要だと思っています。田舎には「農協・役場・病院」に代表されるような職しかないといわれているけれど、それらが受け入れられる人数には限りがあります。そこに滑り込まなければここでは生きて行けない、となれば当然暮らせる人は少なくなり衰退するのは目に見えています。
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(出典・モーニングNO25インベスターZより)

今は大丈夫でも、公務員であれ大企業であれこの先レッドオーシャンになるかもしれないご時勢。昔なら田舎に雇用を増やす=企業誘致で何とかなったとしても、今はもうその企業自体の足腰が弱くなっています。


それも含めて考えると、自分の時代はよくても、その先の若者が暮らせる土台」とか「方法」は編み出されなければ、地域は衰退する一方。そういうことも含めて、私は誰かが雇用を作ってくれることを期待するより「小さくても+αの仕事を作ってみたい」と思うようになり、実験してみることにしたのです。

■ネットと田舎。山奥がブロガーの里に?

また、ネットの普及は、この次の時代における「田舎の小商い」にもすごく助けになっています。私が暮らしている地域では山奥ながらネット環境は抜群に良く、ここから全国の方へ発信できることで、ぽっちり堂のお菓子通販もブログ作家活動も成り立ってます。


これは「田舎で自分たちの経済を作って暮らしていける人」を増やすと共に、「今までの仕事のありかたでは田舎に住みようもなかった人達が田舎で暮らせる」という可能性まで持っています。これからは情報の価値や面白さも、生き方や存在感とつながってきますから、そのうち「山奥」がブロガーの里になったりして・・・(*・ω・)ノ


もちろん雇用されて働くほうが性質的に合っている人もおり、誰もが起業すればいいとは思っていませんが、「小さくとも自分で経済を作れる個人の数が多くなることの強さ」に展望を感じます。
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■カフェも、地域おこしも、テンプレートではなく本質をつかんだ人が成功する


この間の記事では、カフェ経営の難しさも含めて詳しくご紹介しましたが、だからといって「田舎でカフェ経営なんて絶対無理!都会人の幻想!」なんていうわけではないですよ~。「本質や構造をとらえずに、イメージや表面だけまねすると、危ないよ。深く考えてから自分で答えを出して実行し、いい結果を出して欲しい」ってことです。


むしろ私は、田舎でカフェをし×それが自分の適正ともはまり×やり方を3S(シンプルに)+創造性を持ってで工夫すれば、地方のサラリーマン以上の収益を上げながら楽しく暮らせるモデルもできると感じています。私は執筆に集中したくてカフェを閉めましたが、自分が山カフェを経営してみて、こんな山奥に都会から人が来て下さり、月120万~の売上を上げるという結果を出してきたからこそ、実感を持ってそう思います。
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「田舎だから」「カフェなんて」という理由で、それがダメってことは全然ない。実現しているお店もあるし、すくい取れば日々ヒントはあり、やりようもあります。


とにかく、テンプレートだけ真似すれば「誰でもできる」というものではない。だけど、「やりようによっては新しい答えが見つけ出せる素材になる」ということが重要なのです。(関連記事

■地域を救うのは、成功事例の表面的な視察でも、特別なアイデアでも、カリスマヒーローでもない。動いて答えを導き出していくのは自分自身。


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それは、地域おこしの例でも同じではないでしょうか?
成功している地域に視察に行く全国の自治体は万とあります。だけど、その「本質」をすくいとらず表面だけを真似し、成功できない地域にあふれているのが現状です。


よく「アイデアさえあれば」と言われるけど、「ものすごいアイデアさえ出ればいける!」というわけでもないし、ふいにカリスマ的な地域おこしヒーローががいつか現れて、みんなを救ってくれるわけでもありません。(関連記事



もっと、深く、奥のほうにある抽象度の高いところを見なければ、本質はつかめない。
時には泥臭い思考も、行動も、自分たちでやってみないと、答えを見つけていくことなんてできないのです。そして、そこから自分たちの現状に置き換えて、どうやって活用していけるか?どうすればその素地が整えられるか、育てられるか?これが大事。


私も自分に問うことがあるのですが、いきなり「答え」を求めすぎてないでしょうか?
それよりも、情報や人のやっていることを「素材」として見、本質をとらえること。
そこからどんな風に料理していくか?
あるいは「式」とらえて、どんな答えを創造していくのか?
現実の中に、自分の立場から何を創造していくのか?



答えを出すのは、誰でもなく、いつも自分自身しかいません。


特に今、地域創生で国からの補助が出ることも多くなっています。補助自体が全部悪いものであるとは思いません。うまく活用でき、発展につなげられればいいものにもなるのかもしれない。ただ、今月号のインベスターZにも載っていたように、「国からの補助が引き金となり、最終的に借金をかかえ衰退した商店街」みたいになることは避けたいですよね。だからこそ今、小商いであっても、「振り回されず、流されずにちゃんと構造を理解し、考えて進む」ということが、より一層大事だと思うのです。

■「人が裏でかいてる汗と涙に気が付ける人」になりたい。


私が田舎でカフェという「小商い」をしてみてよかったなと感じることの一つは「自分で小さなことでも責任を持って実際にやってみることで、人に対する尊敬とか感謝の気持ちが増えたこと」。どんな仕事もいいことだけじゃない、難しいこともたくさんある中で、営みを続ける人達って本当にすごいって。例えば田舎のスーパーだって、当たり前のような顔をして在るけれど、それって実は、ものすごい奇跡であることが分かる。「そこにその店が在る」ことへの感謝が深まります。


また自営業の場合は「働けば=お金がもらえる」というものではなく「何かの価値を生み出さなければ報酬は得られない」からこそ、お金や経済を得たときの感謝も大きくなりました。

(↑「けもの道をいこう」ブロガーのイノシシさんより。)

小さなお店でも、企業でも、雇われて働いている人でも、自分自身に責任を持って実行し、良い結果も悪い結果からも逃げず受け止め、それでも生きてる人は、優しい。それは、うわべだけではなく、苦労もふくめて見えているからだと思います。成功しているように見える人の表面だけすくいとってうらやむだけではなく「人が裏でかいてる汗と涙に気が付ける人」になりたい。


そういう人が増えていけば、もっと世界は優しくなるだろうし、足を引っ張り合うことなく切磋琢磨し仕事や地域のパフォーマンスも上がるのだと思います。

■今、インベスターZは1~8巻まで出てるようですよ。投資って心理的な安定と数字に振り回されすぎない強さが求められるみたいですが、そういうころはブログ運営とも似ている気がします。

三田紀房
コルク
2013-09-20






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■著作エッセイ漫画
山カフェ日記~30代、移住8年。人生は自分でデザインする~
山カフェ日記~30代、移住8年。人生は自分でデザインする~ [コミック]







■私がオーナーをしている、
自然派菓子工房「ぽっちり堂」
山の素材で手作りした優しいお菓子ギフト