透明で、人をじゃましないエネルギー。心の空間をつくるお人形。



前回の記事でふれた羊毛の人形作家Lanaの前田さん。
私は彼女の作品が大好きで、この間お人形を見せていただきながらお話しを伺いました。

 

彼女の作品たち。
 
私が好きなインコシリーズ。
毎日パソコンの上に置いて作業してます(笑)
なんか、必死で作業している合間に見ると和むんです。
「ほっ」と空間が出来る感じ。彼女の作品は、ただの雑貨ではなくて、心の空間を作り出します。


前田さん。 光がたくさん入ってきて、とても気持ちのいい空間。

お人形作りを始めたのは、娘さんたちに作ろうと思ったのがきっかけ。
シュタイナーの人形作りを参考にしつつも、自分なりのやり方に落とし込んでいらっしゃいます。
彼女はもともと勉強家なのもあり、自然育児(シュタイナーやモンテッソーリ)なども取り入れたり、玄米菜食をつきつめられたりされたことも。


学びながらもその中で自分に必要な部分を、「自分の感性」で取捨選択して取り入れている。そこが、何かの模倣ではなく彼女なりの魅力がある作品作り・生き方につながっているのではないか?と思いました。


実は私、お人形っていつもは持たないんです。なぜなら、人形って作った人の気や力が宿ってる気がするから。日常で感じて影響を受けてしまいそうだなって。だから「よっぽどこれ」と思ったものしか買わない。


前田さんの作品は、そのへんのエネルギーが自然で淡く、透明で、人をじゃましないんですよね。
だから好き。相性もあると思うんですけど、一緒にいると、ますます和んだり、知らず知らず癒されていたりするんです。

道具はシンプル。子育てしながら



これは、お人形の材料。シュタイナー教育で使う草木染の羊毛。
この色もどぎつくなくて、染み入っていくような穏やかさを持っています。


「針さえあれば、できるのがいいんですよね。子どもを家でみながらでも出来たのが良かったです」と言う前田さん。道具がシンプルって女性が創作活動を続ける際にも大事なこと。
お子さんも、作ってあげたお人形は小学生になっても、特別な愛着がありかわいがっているそう。

 

犬モチーフ。飼っていた犬がなくなった方からのオーダーで作ったことも。
「存在」として共通するところを作るのってすごいなあ。

目もとは最後に。



オオカミ。最初、目元がかわいらしくなりすぎて「違う」って思ってやりなおしたそう。
ちょい悪だけど、たまらない目つき。
人形を作るとき「目もと」は最後にいれるそう。
「ここ」っていう、心地良いときに手を止めるんだって。
違和感があるときはずっと「なんか、違う」と手を動かし続け、「ここ」に出会ったとき「あ~、よかった・・・」ってすごくすっきりするそう。まるで子供を産み落とした感じみたいですね。
 
お人形。口元は、大きなお人形にはつけているそう。
小さいものにはつけない。そのわけは「くみとれる表情が見る人によって、みる時によって違う」からだそう。
お人形が全てを決めるのではなく、持ち主との間に何かが生まれていくんですね。
 

かわいいだけじゃない、少女で大人。



前田さんの作る少女は、ただかわいいだけじゃないというのが好き。
何か、女性の中にある魔力も魅力も、少女も大人も持ち合わせている気がするから。
そこには、前田さん自身の経験や変化、持ち合わせている中身が現れているのかもしれません。
「出産して子育てをはじめたころは、本当に不安で責任を感じて。でも、その後色んな人や考えにふれるうちにどんどん自分が変わっていった。お人形作りを始めたとき、パートをやめたとき、色んなことを節目に自分がどんどん変わってるんです」


3年前、だんなさんの後押しもあり、子育てとの両立が難しかったパートの仕事をやめ、お人形作りをしてそのぶんの収入を得ることを決めた。クラフト系のマーケットに出店、委託販売などにより、その目標はクリアできたそう。


そういった仕事の意識もありながら、前田さんの第一の想いは「自分も作っている間癒され、生まれたものに共感してもらえたら」そこはぶれません。
「お人形を、いつまでに何個作らなくちゃ」と思わずに「一つ一つに命を吹き込んでいく」今のスタイルと思いを大切にしているそう。だから、できる人形はひとつひとつがすべて違うんですね。


お話をうかがっていて、彼女はやはり「雑貨屋さん」ではなく「作家」だなあと感じました。
自分自身も家族も大切にしながら、ますます全国で輝いてくださいね。

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■私、ヒビノケイコの著書。高知の山奥で暮らしながら新しい時代のあり方を創造中。

山カフェ日記~30代、移住8年。人生は自分でデザインする~
山カフェ日記~30代、移住8年。人生は自分でデザインする~ [コミック]








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