こないだ、ある地域で移住施策を進める行政の方と話していたところ、
こんなお話に。
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夫が事務局長をしているNPO「れいほく田舎暮らしネットワーク」では
移住支援と移住者ネットワークのサポートをしています。
ここ数年、高知県内でも一位の移住の成果。


様々な地域の方にこんな相談をされることも多いですが、
「ハード面が整っていないから、その地域が移住地としてダメなのか?」
というと、そういうことでもないのです。


人によって、移住の決め手になる要素は違っています。


嶺北で多いステップは・・・

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1、すてきな人、移住者のネットワークがあることに魅かれる。
2、「ここなら私達も暮らしていけるかも」と想像でき決心する。
3、「暮らしたい」という思いを土台に、家や仕事を探す。


こういう流れが多いんですね。
多少理想どおりとはいかなかったり、修繕が必要でもまずは住んでから、
少しずつ理想に近付けてゆく・・・という感じ。


これは、「こんなに素晴らしい物件がありますよ」
「移住してくれたら〇〇を何年保障します」
「豪華特典」をつけての移住促進とは、違う流れです。


人や地域にソフト面での魅力があれば、
こういう仕組みも成り立つのではないでしょうか。


(もちろん、ハード面が全く整っていないと難しい場合もあります。
何らかの補助をつけられる場合には、
このように「まずこの地に住みたい!」という高いモチベーションがある方に、
空き屋を修繕するための補助を最低限でいいのでは。)

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そうそう、こんな話があります。
先日、移住希望者のご家族と空き屋めぐりをした時のこと。


その方は家を自分で改築するスキルを持ってらっしゃる方でした。


逆に予算は少ないので、固定資産税程度の家賃でも貸してくれるなら、
手直しして住みたいとのご希望。


彼の希望は「山水を使えて、薪のお風呂で、ちょっと町から奥まった、昔ながらの家」。


地域の方が想像する「便利で、きれいで、すぐ使える、水道や水洗トイレのついた家」
そんな希望とはまるで逆ですよね。



「こんなぼろぼろの古い家、絶対誰も住みたくないよな・・・」と村の方が思うようなお家でも、
彼の場合は「ああ、これなら土台を残して、壁を作っていけば何とかなる」
「お風呂もこれなら修繕できる」
「草刈をちゃちゃ~っとして見晴らしをよくしたらここは素晴らしい場所になる」
「やっぱり昔ながらのつくりの家は、手直しの見通しがつきやすい」
と違う視点で見られるんです。



大家さんにとっては、何十年も空き屋でぼろぼろになり、年々負担に。

地域の景観的にも迷惑になり、税金も負担になっているだけ。

整備して使ってもらえるだけでもありがたい・・・という方もいらっしゃいます。



人によって、家に対して求めているものや、
持っているスキルも違う。


だからこそこういうマッチングもありうるのです。

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しかも、コンテンツ(ハード面)の優秀さや特典に魅かれてくる人よりも、
その土地の魅力や人の素晴らしさやつながり(ソフト面)が好きで、
どうにか暮らしたいと工夫する人の方がその後の定住率も高いのではないでしょうか?


まとめ

1、ハード面も最低限は大事だけれど、最後の決め手になるのはソフト面。
魅力のある人や、その地域ならではの素晴らしさ、
移住者受け入れに対する地域の方の理解や心の幅を伸ばすことが大事。


2、現代の人の希望するライフスタイルや、
持っているスキルは本当に多種多様。
「普通はこれが希望のはず」と決め付けないで
その人その人の趣向と空き屋との「マッチング」を大切にする。

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最終的には、こういった「人」の魅力や工夫というソフトが根っこにあって、
地域を本当の意味で良くしていくのだと思います。

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■夫が事務局長をしている移住支援NPOれいほく田舎暮らしネットワーク
移住希望の方、興味があるかたはこちら

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■全国での講演(移住支援、地域活性化、キャリア授業)や
田舎へのスタディツアーも行っています。
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■私、ヒビノケイコについて。
高知県の山奥で暮らしながら作家活動をしています。

山カフェ日記~30代、移住8年。人生は自分でデザインする~山カフェ日記~30代、移住8年。人生は自分でデザインする~ [コミック]








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私がオーナーをしている山のお菓子工房。
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