音楽を聴いていたらそのまま音が遠くなった。
ふと起きたら、瀬戸大橋が見えた。
いつもは山にいるから、
海をみるとわけもなく嬉しい。
遠足気分になって、
お弁当とみかんをたべたくなる。
岡山駅に着き、降りた瞬間に
雨がつまった 空気のにおいがやってきた。
ああ、この土地はこういう湿気なんだなあ。
雨に土が混じってる。この香りも好きだ。
そんなこと思いながら
ぼーっと 新幹線を待っていたら、
うしろに並んだおじさんが、
「新大阪に向かうのはどの新幹線ですか?」
と尋ねてきた。
「あっちですよー」と教えると、
おじさんはあわてて走ってく。
最近はもう、
みんなスマホ使って検索するから、
こういうことを人に聞くってことも減ったよな。
そんな背中を見送りながら、思ったこと。
・・・
びゅーん!と飛べる飛行機は
目的地にすぐたどりつくのには便利だ。
でも、たまにはこうやって地続きの場所に、
ことこと進んでいくのもいいな。
だってたぶん、この雨のにおいも、
土のかおりも、感じられなかったし、
おじさんにたずねられることもなかっただろう。
海も橋も、みれなかっただろう。
荷物もちょっと重いし、乗り換えもある。
ちょっと、めんどくさいこと。
でも、そのおかげで感じられること。
出会うものごとがある。
◾️設計と展開
設定した目的地には達するようにする。
一方で、その目的地に地続きのプロセスが、
ゆかいなことや、へんなことや、
においや音までを届けてくれる。
骨組みのあるものがたりに、
その人だけの味わいをくれる。
人生の「設計」と道の途中で出会うものとの「展開」。
そのへんの取り扱いは難しい。
でも、うまく切り替えていければ、味の幅がひろがる。
講座でもお話ししよう。
帰り道は、岡山で途中下車して、
倉敷の美術館に寄ろうかな。
◾️しつもん
最近、道すがらで見つけたものはなんですか?
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