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友人いわく、お気に入り空間のポイントは「清潔、整理、美しいものが配置されていること」


ヒビノケイコです。


先日メルマガで

「これがいい」と「これでいい」
の違いについて書きました。

できるだけ妥協せず
「これがいい」を選んで積み重ねて
いきたいね、
という話。


それについて、かわはらさんより
こんなお便りをいただきましたよ。



ヒビノさん

こんにちは。


私の「これがいい」は、食器です。


四人家族で、子供たちは4歳0歳、

夫も食器には無関心ですが、

お料理を盛り付ける際に、

お気に入りの器だとウキウキします。


そして食べる時にも、

食欲がよりわいて、

より美味しくも感じる気がします。


きれいに盛り付けることもできないし、

凝った料理はできなくても、

お気に入りの器があるだけで

作る意欲もわきます。


今日ちょうど、

食器を何枚か断捨離しました。


もう4年以上使用していませんでした。


狭い食器棚を占めていて、

とっておく方が勿体ない!

と捨てることにしました。


まだ、「これでいい」の

食器は残っていますが、

少しずつ食器を整えて

いきたいと思っています。


 



編集はメディアだけのものではなかった




掃除して整理をし、お気に入りのものを配置する。
「これは、暮らしの編集だなあ」と感じます。



以前、大好きな編集者・村松美賀子先生に

「人生も編集なんですよ」と

教えてもらったことを思い出しました。



先生がいう編集の核とは、


・ものごとをどう見て、どうとらえるか?

・そして、どう切り取るか?

・そのものごとと、自分がどう関わるか?



編集という言葉からは、ふつう

「メディアや本の編集」が想像されますよね。


だけど、編集が役立つのは、

それだけじゃなかったんです・・・!


ほんと、これを聞いた時は

びっくりしました。


毎日の暮らしにおいても、

人生に大きな文脈においても、

編集力が役立つんだなあって。

 

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例えば、


・ おうちの本棚にどの本を、

どの順番で、どんなディスプレイで配置するか?


・好きな音楽を選び、どんな順番できくか?


・服のコーディネートはどうするか?


・夕ごはんのメニューをどう組み立てるか?


・友人と、どんな会話やメールの

やりとりをするか?


・仕事のファイルをどのように整理するか?



取捨選択、並べ方、順番、組み立て、配置。


「そういうこと全部が編集なんだ」

と思うと、日常が面白くなってきます。


「家を掃除して、お気に入り空間を作ることは、

編集作業の一つなんだなあ」

と思うと、断然やる気が出ますよね。



食器棚の編集でわかったこと



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わたしも1年前

食器棚を整理してみたんですけど

8割はいらないものでした(涙)


「なんとなく置いておこう」

「もらったし使わな悪いかな」

「昔好きだったし(でも今は好きじゃない)」


そんなお皿がほとんど。



やっぱりそういったお皿は、

使っていて違和感がある。


「うーん・・・なんかしっくりこない」

「このお皿だと盛り付けに気合入らないな」


無意識に思いながら使ってたんだなあと、

改めて気がつきました。


一方で、お気に入りの食器は

 奥の方に眠ったまま。


「そうだ!お客様用ではなく、

 とっておきこそ、まいにち使おう」


 と切り替え、

 自分がいちばん嬉しいものを

 ふだんの食卓に使うことにしました。


「もったいない、いつか大事な

お客様がきたときのために・・・」


と置いておいても、

いつかは、ほとんどないですしね。


あ、これ、ずっと叶わない夢にも似てます。


「ほんとはこんな風に生きていきたいけど、

まだ時期早々かな。

もうちょっと準備が整ってからにしよう・・」


これも、いつかはほぼこないですね。


ひとつひとつを取捨選択し、

毎日「これだよね、これ」と

思えるものに囲まれて機嫌よく暮らす。


そんな毎日を送れるように、

仕事や暮らしを、

人生の方向性にフィットした形に

デザインしていく。


そのためには全体を見渡し、

選択した今を生きることが重要で。


その時に必要なのも、編集力なんですよね。


人生は編集。


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誰のための人生か?というと、

自分のためですよね。


なのに、みんななんとなく 

「誰かに編集してもらおう」

と思ってやしないか?

と感じることがあります。


流されていても、なんとなくでも、

今まで自分が選んできたものが、

今の自分の環境であり状態です。


いつも愚痴ばかりで前へ進まず

すべてを人や環境のせいにする人は

ものごとを取捨選択していない人。

(あ、前へ進むための不安や迷い、
悩みはオッケーだと思ってます)


自分にしっくりくる生き方を選ぶことは、

自分にしかできませんし、

そこには覚悟も責任も伴います。


だからこそ、

自分で自分の人生をデザインしている人は、

自分で選んだすっきり感があり、

あとあと後悔しないんでしょうね。



「人生は編集」ということば通り、

自分の軸に沿って、

ひとつひとつのものごとを選んでいけたら、

自分の人生をデザインしている人になれる。



そういう人がメッセージを適切に伝えるための

表現力に加え、「編集力」も持っていると、

裏打ちのある力強いものがこの世に伝わります。

 

その人のもとには人が集まるので、

コミュニティが形成され、

自分の名前で生きていきやすくなる。

肩書きに縛られることなく、何をしたとしてもね。



こんな風に、 「編集力」って仕事にも暮らしにも

人生にも役立つものなんですよー。



11月14日 村松美賀子さんを迎え京都で編集講座を行います。

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9月の「届けたい人に届ける文章術」講座では、

文章に必須の要素を学びました。



11月の講座では、

その要素をどうやって全体に配置し、

伝えたい骨をしっかりと伝わるようにしていくか?


自分のメディアや講座作り、リトルプレス作り、

今回お話しした、人生に役立つ術。

そんな「編集講座」を企画しています。


編集者・ライターで京都造形大の准教授、

村松美賀子さんを講師に迎えての開催。


秋の京都を歩きつつ、

マニアック本屋めぐりも

したいな~、、、
なんてことも考えてますよ。


詳細と募集はメルマガ内で。
 
→メルマガ登録はこちらから

 
ご興味のある方はスケジュールを

あけておいてください。


それでは、お楽しみに。



村松美賀子さんプロフィール
(編集者、ライター、京都造形芸術大学准教授)
 

編集と文筆。出版社勤務の後、数多くの書籍や雑誌を手がけ、本の制作に伴って、展示やイベントなども開催する。生活文化を中心にアートや科学など、ジャンルを超えた執筆・制作を続ける。編著に『標本の本 京都大学総合博物館の収蔵室から』(伊藤存との共著、青幻舎)、著書に『京都でみつける骨董小もの』(河出書房新社)『京都の市で遊ぶ』『いつもふたりで』(共に平凡社)など多数。

 


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写真の並べ方、空気感のある言葉や視点、編集が素敵です。



京都を包む紙
井上 由季子
アノニマスタジオ
2007-10









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