先日、四国女子会で講師のみなさんと、おしゃべりしていたときのこと。女性の活躍している某メーカーの課長さん、カメラマン、お店のオーナーさん、デザイナーさん、イベント会社をしてる方、いろんな方がいたんだけど、とにかくみんなの悩みに共通点があって、すっごい盛り上がってしまった。


「今回、この話できただけでも来て良かったです!」と言ってるひとも多くて。それだけ気がラクになったってことなんだけど。


どんなことに悩んでるのか?ストレスなのか?
これは、まだそんなに一般的に触れられていないところだと思うので、知ってもらえたら嬉しいな。


大学、メディア、集中してやってくる協力依頼

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地域で、事業なり活動なり、何かしらやってある程度成功してくると、もうほんとに、次から次へと大学や行政や団体からの視察、授業、インターンの話、卒論への協力依頼なんかがたくさんやってくる。メディアもそう。テレビ、雑誌、本、webメディア。あと講演依頼。とにかく依頼がくる。メールを見るだけでも大変である。


もちろん、そんな中でも「この人とはつきあっていきたい」「ここなら協力していきたい」と思うものもある。その場合は、協力もしたいし、楽しんで関わらせていただいている。


でも、自分も、大学のときにいろんな人にお世話になったし恩返しもしたいし、誰かの参考になるならするべきか・・・そんな風に思って、無理することもたくさんあった。


そう。一人の人や、ひとつの地域にそれらがとにかく集中するので、さばくだけでも手間と時間がかかるんだよね。


大学に関しては、受け入れたとしても、学生自身のやる気がなくて「一体・・・」と思うこともあるし、あったとしても、この短い期間で「地域貢献したい」と言われても困るなあというのが正直なところ。


地域に関係していくっていうのは、そんなショートな期間でできることが、あんまりない。「草刈か、おばあちゃんの肩を揉んでもらう」のが、結局いちばん現実的に役立つんじゃない?って話になることも。


「もしそれ以外のことを、本気で何かしたいと思うなら、しっかりと考えて。一度入って、何かするということは、自分がいなくなったとき、穴ができるということ。それが相手にとってどういうことか、よく考え動いてね」と言っている。という方もいて、なるほどなあ。そこまで言ってあげるなんて親切だなあと思った。

たぶん、思いもよらないだろうから。実はやってもらう仕事の割り振りにさえ、手間がかかってるんだけど、やってあげてると思う人が多いしね。


地域側のひとには、それだけの労力に対する報酬があるわけでもないし、それらをあてにしてるとか、稼いでいきたいわけでももない人も多いので、時間がどんどん割かれて、疲れていっちゃう。


でも、どこか地域に入ってくる大学生にしても、メディアにしても、「地域にいいことしてあげてる感」「取り上げてあげて、広められて嬉しいでしょ感」が滲み出るんだよね。


そして「アツい思い」をメールで連打してくる場合もある。それが、こちらのこともよく考えてのことなら嬉しい場合もあるけれど、だいたい独りよがりな内容で、それをすることによってあちらは満足だけど、こちらになんの利益があるのかは記載されていない場合がほとんどだ。


だから、余計にやっかい。実は、お互いのニーズはあっていないのに、それを話しても、わかってもらえないのが辛い。


「あの、いきなり送りつけられてくる地域研究のアンケートってなんなんですかね?」という話になったんだけど、みんなそれなりに律儀に返したり、もしくは断りの連絡をいれているそうですごいなあと思った。そしてそれがまたストレスで・・・という話で。


わたしはといえば、いままでのなんの信頼関係もないのに、いきなり「〜大学地域〜学科」から送りつけられてくるアンケートに関しては、ゴミ箱に直行させている。知らない人に知らない街でナンパされてついていかないのと一緒で。そういった手間のかかることを相手にしてもらうということは、なんらかのニーズが合致しているか、信頼関係あってのものだと思うから。


設定を決めて対応する




また、ひとつひとつのメールに返信するのはほんとうに大変なこと。

最終的には、

「メール返信で、こちらの条件示すテンプレートを用意しとくと楽だよ」
「事務局とか、マネージャー、もしくはプライベート秘書つけたほうがいいよ」
「どういうラインで受けるか受けないか、決めてる?」
「視察に関してはこういう値段設定、講座に関してはこれだけの設定、ハードルは〜で」

など、みんなが工夫している話にも。わたしは、1年前くらいから徐々に設定を決めて切り替え始め、いまはずいぶんラクになってきた。


みんな、自分の中だけでもやもやして「協力したくないなんて、自分は性格悪いのかな?」とさえ思っていたものが、「同じように悩んでる人もいたんだ」とずいぶんほっとしたみたい。「今までストレスだったところ、どうしていいのかわかった!」と、笑顔がキラキラしてくるのが嬉しかった。


一般的には、地域で暮らしていると、「なんかゆったりしてて、丁寧な暮らしをしていて、地域貢献もしていて、いいね〜」というイメージがあるのかもしれないけれど、矢面になっている人たちは、実際のところ、忙しいです(!)


そして、地域で暮らしていこうと思ったら、まずしっかり、自分自身が自立して、余裕を出していかないといけない。そこを理解してもらえると嬉しい。


だから、講師のみなさん、共通して「地域にいても、いるからこそ、しっかり儲けることが大事だと思うんです。そしたら、自分たちはそこで継続して暮らせるし、周りに回していけるぶんが増えるから」とおっしゃっていた。


すごくポジティブにお金をとらえていて、すてきな女性ばかりだなと思ったんだけど、それはほんとに実感するんだよね、田舎にいるからこそ。みんながカツカツになっちゃったら、貧すれば鈍するで、俯瞰して適切なアプローチをとれなくなるから。


経済的にも、時間的にも、場所的にも。子育てしていたり、地域のこともあるからこそ、自分のリソースをいかに選択し集中させていけるか。これが、いちばんの要になる。


断るのは受ける3倍エネルギーがかかる



「断るのって、受けるのの3倍は辛いし、エネルギーを使いますね。でも断っていかないと、自分がいま何してるのか意味がわからないことになる」という話になったけれど、何かを選びとっていくためには、選ばないことが発生する。


わたしも、いま自分の仕事に集中したいから、外部依頼の講座やメディアに関しては、断ることがほとんど。どうしてもこれは、というものだけ受けさせてもらってるんだけど、断るのがもともと苦手ですごいエネルギーを使う。


うまく伝えられなくて、悔やんだりすることもある。でも、辛いけど慣れていくしかないなあと思ってる。いちばん大切なものを、大切にしていくためには。


地域でそういう立場にある人は、真面目だし、協力してあげたいと思うからこそ悩む。でも、抱えすぎず、無理しすぎず。たまにはこうして笑ってしまえる時間も必要。大切なものを大切にして、選んでいってね。それが、骨太な未来をつくっていくと思うから。


そのへんのことも理解しつつ、地域に興味がある人、機関は関わっていってもらえたら嬉しいな。設定があるならそれをまず見てから、相手が場を開かれているならお金も払って参加し信頼関係を作るところから。

何が、自分だけではなく相手にとっても良いものとなるのか。お互い気持ちのいい循環がまわるように。


ということで、今日はこのへんで。
すてきな方々と友達になれたので、これからますますいろんな地方をめぐるのが楽しみになりそうです。

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