外と内をつなげていく


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ひた、ひた、ひた。

薄暗くて、静か。
冷たい床と、窓からきらっと見える緑。


その絵に向かい合うと、
自分がなくなって、溶け込んでいく。


吸い込まれて、また出てきて。
どうやって、この美しいものは
できているんだろう?と、すこし考える。


ひとりになりたい時、
あたまがぐちゃぐちゃな時、
何かの手がかりがほしいとき。


いつも、自転車に乗って美術館に向かった。


夏は、ひまわりが咲いている丘を越えて、
秋は、ススキが金色に光る空気の中を。


そんな、中高生時代。


今は、仕事のアイデアがほしいとき、
なにかを心に溜めたいときにも、向かう場所。



この人となら



「この人と一緒ならハードルを
越えられるっていう存在が必要なんですよねえ」


高知県立美術館のカリスマ学芸員、川浪さんが言った。


美術館では、
美術好き以外の一般の方に
もっと来て欲しいと思っているけれど、
苦戦しているみたい。


他にも、
お母さんと子供が一緒に来て
楽しめるようになるには?
とか、


いちばん足を運ばない層である、
ばりばりビジネスやってる男性たちに
来てもらうためには?


など、やりたいことはあるんだけど、
やりかたがわからなくて、
いつも頭を悩ませているみたい。


そうだなあ・・・。


わたしは小さな頃から
アトリエに通っていた関係で、
画家の先生たちの展覧会に行くことが多かった。


自然と美術館に足をはこぶ習慣があった。


けれど、大人になってから、
それがどうやら
一般的な習慣ではないことを知った。


「え~、美術館もギャラリーも、
行くことなんてないよ」という人たち。


でも、美術館の楽しさを
一緒に味わいたいなあと思って、
全く興味のない友人や彼氏たちを、
よく連れて行った。



今では、講座の中に組み込むことも出てきた。
このあいだの京都開催では、みずのき美術館へ。



「この人となら」は、これからあらゆる仕事の中で
重要になるポイントだろう。


ナビゲーター



美術館の人たちとは


「美術館の中での教育だけではなくて、
美術館に来るまでの間のナビゲーター・・・
アートの面白さをその人の目線で
翻訳して紹介してくれるが必要なんですよね」


という話になったけれど、
一般の人にとってみれば、


「どんな風に美術館を使ったらいいのか?」
「こんなふうに楽しめるのかー!」
「アートってこんなことに活用できるんだ!」


知らないまま、
とっつきにくくなってるだけなんだよね。


・・・


一緒に美術館へ足を踏み入れてくれた人は、
それぞれが、良さを発見してくれることが多い。


ビジネスマンの男性を連れて行けば、


「こんなにいいものだと思いませんでした。
仕事って、仕事のことしか
考えていないと広がらないけれど、
こうやって、言葉にならない
アートと触れ合うことで得られる
発想がありますね。


仕事に活用できそうだし、
これから自分の仕事仲間も
連れていくようにします」


こんな感想が返ってきて嬉しい。




子供たちともよく行く。


他の人に配慮して、
混んでない展覧会の空いている時間帯(午前中)に
なるべく足を運ぶ。


全部網羅しようなんて思う必要はなく、
興味のある絵の前でじっくりみてごらん。
と言い、立ち止まれば

「これはなんだろうね?」

「おもしろいね」と会話をして楽しむ。


あ、
ミュージアムショップの
オリジナルグッズはすごくおしゃれだったり、
美術館内のカフェなんかも、
すてきな場所が多いんだよね。


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例えば、

四国だと、猪熊弦一郎美術館が好き。
関西だと、大山崎美術館。
倉敷の、大原美術館もいいよね。


つまり、
”見る、過ごす、味わう”がそろった
「1日、誰かと過ごす舞台設定」として、
美術館は秀逸だったりする。


そうして一緒に楽しんでいるうちに、
みんなの中でハードルが消えていき、
自然と馴染んでいくのがうれしい。


ナビゲーターの役割ってこういう感じなんだろう。


関連記事)「行き場がない時、自分に立ち戻れる美術館7選」もう一つの居場所で



◾️素人目線の有効活用


こんなふうに、専門家ではない

「素人目戦」が役立つ場面がある。


みんなも、
はなから行きたくないというわけじゃなくて

「ほんとうは行ってみたいけど、一人じゃ行けない」
「行ったことがないから、良さを知らない」

それだけの理由だったりする。



だから一緒に行ってあげる。

背中を押して飛び込ませてあげる。


これって、美術館に限ったことではなく、
新しく始める学びや仕事に関してもそう。


ほんとうは望んでるのに
ひとりではふみ出せない。


だから、
場を作って背中をおして、
ちょっとだけ上を目指させるのが、
講師やコーチの役目なのだ。



ナビゲーターと専門家

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どんなものも、

専門性の中に閉じこもっていると、
日常での汎用性がなくなってくる。


既成概念にとらわれていると、
ひとつの目線しかなくなり、
提案ができなくなってくる。


閉じられていると、
そこの世界でしか通じない言葉になってくる。


アートでも社会課題でも、いくら


「こんなに価値があるからきてください」
「こんな問題があるから解決するために助けてください」


と言ったところで、
自分と関係ない世界のことであり、
わくわくするものがなければ、
自分から扉を開けることはないだろう。


だからこそ、ナビゲーターは、
一緒にわくわくして、新しい視点を持って、
入り口の扉をあけてあげる。


そこからは、専門家と協力して、
深堀してゆけばいい。


・素人的な目線を生かすこと。

・日常と抽象的なメソッドを、
つないでいくこと。


でも、それだけじゃ人には伝わらなくて・・・


「届けたい人に届く文章表現」
の技術が合わさったとき、
来て欲しい人に来てもらえるようになる。


仕事として成り立ってゆく。


アートはアートだけでは残っていかなくて、
社会課題も同じ。


大切なものは、大切だからって残ってゆかない。


経済活動がともなったときに、残っている。
すばらしいものを継続的に残すために、
ナビゲーターが必要なのだ。


・・・こんなこと話してたら、
京都の染め司よしおかの話をしたくなってきたよ。
明日に続きます。



さいごに



日常と抽象的なもの。
忘れられた宝物。

「あなたがナビゲートし、つなげていきたい」
と思うものは何ですか?




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