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こないだ、タイの僧プラユキさんがうちに訪れてくれた際、数日後の雑誌のインタビューのテーマが「捨てる」ということで、それについて対話を交わした。


「捨てる」という言葉には「切る」というイメージがある。モノにしろ、人間関係にしろ「こんなもの、もういらない!捨ててやるー!」と勢い付いた状態。だけど、わたしにはそうしたスタンスはなく、断捨離もしない派。



いつもそばに好きなものを、わらわらと配置しておくのが好き。昔は、すてきな色の落ち葉や、石ころや、貝殻が部屋の中にいっぱいあった。散らばった断片たちがいつかつながって、インスピレーションをくれる瞬間があるのだ。


ただ、何か新しいものが部屋に入ってくると、部屋に入りきらないものは、整理されてゆく。「この石を置くから、この貝殻はもういいかな」と。その結果、「捨てる」という行為が自然と発生する。


そう。ニュアンス的には、「もういいかな」。これからの自分に必要なものが明確になるにつれ、必要ないものにしがみつかなくなる。嫌いになったわけではなく、愛おしさもあるけれど、今はもういい。


モノだけではなく、心のスペースも同じで、
例えば、腹が立った人のことほど、考えてない?
出来なかったことばかり考えてない?
辛かったことばかり、考えてない?



行動も同じで、
もうお酒は少なくしなきゃ、と思いながら、今日も飲み過ぎてない?
こんなこと言っちゃダメ、と思いながら、今日も言ってない?


・・・


もう、いいんだよ。


「もう、いいかな」と手放すことは「可能性」を広げること。その時にはどうぞ「捨ててやる」なんて投げつけないで。バラバラに切り刻まなくても、自分を作ってくれたものの一部として、愛でてあげればいい。形はなくなってもね。


大切だったものたちを、そっと優しく忘却の海に置いてあげよう。



◾️プラユキさんの本

苦しまなくて、いいんだよ。
プラユキ・ナラテボー
Evolving
2015-10-13

 
 




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