人前に立つ人の憂鬱
全国各地をまわっていると、その地域である一定の成果を出している方にお会いすることがある。女性起業家、フリーランス、公務員だけどその中でできることを最大限にしている人、などなど。フツーの主婦の人でも、生き方や言葉に力がある人は、様々な場に出て話をする機会が増えてくる。
「この人は」と思われて引き上げられていく人。そんな人たちが持つ共通の悩みは「自分なんかが、みんなの前に出て何かをしたり、ものを言ってもいいのかな」ということ。(周りの人がこの人に話してほしい、聞きたい。ということは、そこに立つべき人だということだと思うけど)
リスクを引き受ける覚悟
人の前に立つ、ということはどんなことであっても、応援してくれる人も増えるが、反対の人も増える。人からの攻撃、嫉妬、羨望、足を引っ張られること、もやもやを投影されてしまうことが起こる。
「有名税だから仕方ないと思え」なんてよく言われるけれど、今の時代で有名になって得することなんて、ほとんどないよ。むしろめんどくさいことが増えるだけ。静かに、誰にも知られずにたくさん稼ごう、と思えば全然できる今の世の中で、わざわざ人前に立つってことは、それだけ何かしら「人や地域にとっても、役に立てれば」という思いがあってのこと。
そんな中でリスクも責任も引き受けて、自分のできることをしていこうとする。わたしはそういう人たちが、覚悟を持ってこのまま前に進もうか悩む時、話を聞くことがある。
頑張ってる人こそ、健全に本音を吐ける場所がない
先日講演したフォーラムの主催者さん。三重県に移住し、地域の資源を生かす会社を経営する、西井さんからこんな言葉をもらった。
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くぎをさす
働きかたフォーラムで
ヒビノさんとご一緒させていただいた2日間
言葉をつむぐひとはいつも
すっと相手の視界に溶け込んで
同じ風景を見る技をやってのける
ヒビノさんもそうだった
そのうえに、ご自身の体験とかに引き寄せて
経てきたから共振しながら伝えてくれるから
いつも耳がダンボになる
田舎でエネルギッシュな人は多いけれど
よろこびや悔しさや生き様から醸されるエネルギーを
編集してアウトプットするような
しなやかなひとに、出会えた
それに比べて私ってば
5年半たってやっと
仲間うちでなく人前で初めて、吐き出せた
無編集に吐き出したものを抱きしめられたことで
これからはこれを経験値に変えて
伝える素材にすればいい
まだまだだけどね
自分にくぎをさすんだそうだ
何度も何度も言葉として整理して
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彼女は、今まで周りから「すごい」という目で見られすぎて、自分の弱音やそのままの姿を、見せられなかったところがあったみたい。今回開いてくださった懇親会の中で、わたしが楽しかったことも辛かったことも、呆れるくらいネタにして話すものだから、はじめてそういう自分を人に開示できたようだった。
依存させる応援じゃなく、もっと洗練された応援が必要
↑松坂牛ロースとビーフと、おじさんの手作りパン。ほくほく、濃厚でほっぺたが落ちた。
翌日の朝、彼女と松坂牛の牛舎カフェでモーニングを食べながら、話しの続きをした。おかわりのコーヒーの香りの中で「ただよしよし、大丈夫って言って終わりじゃなく、その後はちょっと先に進めるような応援の仕方がしたいですよね」という話題になる。
西井さんは、
「ヒビノさんといると、苦しいことを失礼じゃなく、気持ちよく、笑い飛ばしてくれるじゃないですか。だから、深刻化せず気が楽になる。辛いことは、どんなに論理で説明されても辛い。でも、”わたしも次に続く人のために、明るくネタ化して乗り越える人になろう”と思うと、気力が出てくる」みたいなことを言ってくれた。
わたしはカウンセラーじゃない
・・・正直、わたしは人に何かしてあげようと思って接してない。わたしはカウンセラーでもお坊さんでもない、タダの人なので、苦しみを受け止め続けることもできない。昔は身の丈を超えてしようとして、結局中途半端に終わり、相手も自分も共倒れになるという、かわいそうなことをした。
そんなほろ苦い経験を何度も経て、身の丈に合った方法・・・自分が楽しくできること・人にエネルギーを注ぐようになってきた。そうするうちに、だんだん分かってきたのは、「何かを救わなくちゃ」と思わなくても「わたしが元気で楽しく生きてるだけで、勝手に元気になってくれる人」が出てくるということ。
姿を見て、勝手に振り返ってくれるというか・・・これ、ほんまラク。これはわたしだからとか、特別なことではなく、みんなが本来そういう力を持ってるということだと思う。その人がその人に合った姿で幸せに生きて働いていけば、それを見て勝手に励まされる人が出てくる。
何かに一生懸命な人が愛おしい。楽しく伴走していけたら。
ヒビノケイコ@hibinokeikoわたしは最近、ほどよくバカで、アホみたいに悩む体質だったことを、良かったかもしれないと思うことがある。友達が悩んでるときに、あははは!て笑い飛ばせるから。同じ悩みを持ってきたからこそムカつかれず、しかも気楽になってもらえる。すとんとラクになった後は、結局前を向くんだよね、みんな。
2016/02/10 12:03:01
「ほっとするだけじゃなく、そこから一歩前に踏み出したい」と思い、自分で立とうとしている人。その横で一緒に笑ったり、失敗すればネタにして、また笑う。それがわたしの得意分野らしい。「応援してるつもりはない。でも、それが応援ってもんだよ」と教えてもらったような2日間。
春は、デトックスの時期。辛いもの、たまったものが沢山出てくる。苦味も味わいながら、新しく変化する体を楽しもう、ね。最後に質問。これ、考えてみて。
ヒビノケイコ@hibinokeiko自分が自然としてることで、勝手に人が喜んでくれたことってない?それが、自分が最も人に対してできる、応援のヒント 。
2016/02/22 19:04:15
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