大人気の手作り服作家FU-KO bacics美濃羽まゆみさんインタビュー第4回

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美濃羽まゆみさんのインタビュー第4回。彼女とは京都精華大学時代のお友達。子育て
と京都の町家での暮らしをブログ「FU-KOなまいにち」で公開しながら、ネットショップで服を販売しています。ショップでは服が即完売、本も出版されている超人気作家さんです。

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美濃羽まゆみさんインタビュー、アーカイブはこちら。

第1回インタビュー記事
第2回インタビュー記事
第3回インタビュー記事

・第4回インタビュー記事

・第5回インタビュー記事

今回は、彼女が本を出版するきっかけと、布や子どもの素の美しさを生かすデザインの作り方について聞きました。人生の中で起こる良いことも辛いことも、どう受け止めて、自分らしく歩いていくか?そんな姿勢も学ばせてもらえるインタビューでした。それではどうぞ^^

◾️累計5万7千部突破!大人気本をだすきっかけは・・・

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美濃羽)自分の
ネットショップはじめて2年くらいした時、同時進行で委託販売しませんか?って楽天さんのショップに声をかけてもらって。月に20~30着くらい。こっちは受注生産じゃないから、出来上がったものを送るという形なんやけど。それを見たヴォーグ社の方が、子供服の型紙を載せるのとインタビューをしに来てくれはったねん。で、それが載った時にファンの方が、読者ハガキを何十枚も送ってくれたみたいで。


ヒビノ)おお〜、ありえんくらい多かったんや?編集部の方も「なんかこの人、ファン多いんかもしれんぞ」と思ったんじゃない?


美濃羽)そうそう。で、本を出しませんか?とお声がかかったの。二人目の子供を出産してしばらくしたときに作り始めたねん。ショッップで人気やったものを中心に掲載して。


ヒビノ)今、何刷目?


美濃羽)1冊目が6刷目3万3千部で、2冊目が4刷目で2万4千部くらいかな。


ヒビノ)うわ〜今そこまでいく本ってめっちゃ珍しいよね。ほんまにすごいなー!





◾️有名人はスーパーマンじゃない。辛い時支えてくれた言葉「一度殴られて、二度目殴られることはないで」


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ヒビノ)それだけ広く出すってことは、いろんな人の目に触れるってことやん。いいことも、悪いこともあるよね。


美濃羽)そう。もちろん応援してくれはる人も増えたんやけど、反対に色々書かれることも出てき て・・・時には傷つくこともあったよ。


ヒビノ)う〜ん。そういうこと、あるよね。もちろん「意見」やったら全然良いんやけど、度を越した誹謗中傷のこともあるやんか。そういうのに触れすぎると心がトゲトゲしちゃう。


美濃羽)うん。そやね。そんな時、ずっと応援してくれてる人が「一度殴られて、二度目殴られることないで」て言ってくれはって。一回言われた言葉を、自分の心の中でリフレインして何回も傷つくのって、すごい無駄やん。だからもう、殴られんようにするか、殴られても一回きりにしときって。


ヒビノ)それ名言やなあ。自分次第やでな、そういうのをどう受け止めるかって。中には受けとらんでええ暴力的なものもある。そこらへんを見分ける力をつけていくことも大事。


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美濃羽)それまで結構悩むこととかあったし、足りんことがあれば工夫もせんとあかんのかなと思ってやってきたんやけど・・・やっぱり自分一人でできることは限られてるなと気がついて。もうちょっと完璧じゃなくてもいいかなって思えるようになったなあ。


ヒビノ)そうやなあ。それが自分のやりたいこと・出来ることやったらいいけど、自分がやらんでいいこともこの世にはいっぱいあるやん?たぶん、まゆみちゃんは、本も出して仕事もやりたいことして「ものすごい人」に見えてしまうんやろうけど、実際は同じ人間やから。人より際立つ部分はあるけど、全部が全部「なんでもできるスーパーマン」みたいに誤解せんといてほしい。できることは、やってはるから。でも、本当に辛い時はどうやって乗り越えてきたの?


美濃羽)やっぱり、共感してくれるお客さんの声に救われたなあ。あとは、そこまで深刻にとらえなくて、寝たら忘れるっていう部分もあったけどね(笑)悪いことって全部いっぺんに来ないし、じゅんぐりじゅんぐりやん。


ヒビノ)そういう時に、より良くなる手も考えてるしな。


美濃羽)転んでもただでは起きひん。


ヒビノ)かっこいい(笑)結局、色々あっても、それをきっかけに人間力鍛えた人は、幸せなんかもしれんな。

 
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◾️子どもって、お化粧せんでもきれいやん?デザインは、布が「こうしてほしい」と言ってる形を浮き彫りにする作業。



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ヒビノ)まゆみちゃんのデザインは、子供服やけどシンプルで洗練されてるよね。その絶妙さ、ありそうでない
。いかにも!て感じでナチュラルナチュラルしすぎてないし、ギラギラもしてない。あのラインの美しさが特に好き。


美濃羽)凝ったデザインは好きじゃないからなあ。子どもって、お化粧せんでもきれいやん。それを生かしたいねん。シンプルなほうが、帽子つけたりアクセサリーつけたりして遊べるし・・・あと、ラインはこだわってるところ。意外とおじいちゃんおばあちゃん世代にも受けたりするねんで。


ヒビノ)え、そうなん?おばあちゃんがお孫さんに買ってあげるってこともあるんやね。すてき。

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ヒビノ)まゆみちゃんの中で服作りにおいて大事にしてることってなに?


美濃羽)うーん。大事にしてることかあ・・・。あんまり、自分の気持ちを入れへんことかなあ。布が「こうしてほしい」っていうのを言ってる気がする時があって。「こうなりたいんや」みたいな(笑)そうしていくというか。


ヒビノ)ああ、あるなあ。わたし、大学の時陶芸学科やったやん?気持ち入りすぎたものって、使いたくないんよ(笑)使ってるうちに疲れてくるというか。入ってない方が毎日使ってて愛着が出てくる。


美濃羽)あとで恥ずかしなるしな(笑)布も、質のいいものを使っているから、値段もはるし、無駄なことはしたくないしね。


ヒビノ)「わたしがデザインしました!」っていうよりは「布の本来の良さを浮き彫りにしていく」感じなんかな。

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ヒビノ)でも、毎日ほとんどの時間を布と対話するって、どんな感覚


美濃羽)孤独やでえ。ミシン・・・(笑)


ヒビノ)わたしも、孤独やでえ。書くの・・・(笑)


美濃羽)ふふふ。でも、ずうっとそればっかりやってると、だんだん自分が透明になっていくような感覚にならへん?写経っぽいというか。


ヒビノ)ああ、わかる。10時間くらい指先を染液につけてくゆらせてる染物とも似てるよな。瞑想的な感じというか(笑)

◾️大量生産もできるけど、それはなんか違う。譲れない微妙な世界観



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美濃羽)ほんとは、デザイン作って、工場とかに発注して、大量生産とかも考えれんことはないんやけど、なんか、それはちょっと自分のしたいこととは違ってくるなと思ってて。


ヒビノ)そうかあ。譲れるところ、譲れないところの微妙なラインってあるよね。できんことないし、そうした方が効率的やし安定的って分かってても、したくない事がある。


美濃羽)そやねん。


ヒビノ)わたしも1年前までカフェやってた時、執筆にもっと時間を割きたくなって。これ以上やるんやったら、完全にシステム化してスタッフに全部任せて回すっていう選択肢しかなかった。だけど、そうなったら何かが違ってくるような気がして・・・中途半端にするのも嫌だからきっぱりやめた。

美濃羽)うんうん、そうやったね。

ヒビノ)完全にビジネスって割り切れたら出来たんかもしれんけど、作りたい世界の居心地が違ってくる気がして。お菓子通販のネットショップはその点、全部任せても大丈夫と思えて、スタッフも任せたい人がいたからできてるんやけど。


美濃羽)そういうのって、直感的なもんやよね。わたしも今のやり方でどこまでできるかはわからへんけど、共感してくれる人がいる限り、続けていこうかなと思ってるよ。
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(第4回終わり。続く)写真協力/美濃羽まゆみ
◾️2016年1月に三冊目が!
ライフスタイル本「小さなくふう、ていねいな暮らしの作り方」


FU-KO 美濃羽まゆみさん初のライフスタイルブック。町家暮らしのこと、手作りのこと、子育てのことをメインに、「FU-KOなまいにち」を豊富な写真付きでお届けします。ブログでも人気のお気に入りの道具、洋服のコーディネイト術、インテリアはもちろん、素材を活かす毎日の食事のレシピや、簡単で役立つソーイングレシピ、子育ての話など、盛り沢山な内容でご紹介致します。12月にamazonで予約がはじまるそう。お楽しみに! 

◾️お話をうかがった場所 京都のキッチン用品カフェLADER

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京都のキッチン用品カフェ・LADERさんにて、お話を伺いました。使い心地が真剣に考えられたすてきな台所アイテムがいっぱい。あれもこれもほしくなって困っちゃう(笑)アイテムを使ったカフェでごはんを食べられますよ。


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