大人気の手作り服作家FU-KO bacics美濃羽まゆみさんインタビュー第3回

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美濃羽まゆみさんのインタビュー第3回。彼女とは京都精華大学時代のお友達。子育てと京都の町家での暮らしをブログ「FU-KOなまいにち」で公開しながら、ネットショップで服を販売しています。個展をしたり、本を書かれたりも。ショップでは服がたちまち売り切れ、本は1冊目が3万3000部~2冊目が2万4000部~と驚異的な人気。

美濃羽まゆみさんインタビュー、アーカイブはこちら

第1回インタビュー記事
第2回インタビュー記事

・第4回インタビュー記事

・第5回インタビュー記事

今回はそんな彼女が今のスタイルの製作〜ネットショップ販売までをどうやって作り上げて来られたのか?プロセスと人気のひみつをお聞きしました。

◾️最初はオークションから。人気の反面プレッシャーも

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ヒビノ)まゆみちゃん、今はネットショップで手作りの子ども服を販売してはるけど、最初どうやって売りはじめたの?

美濃羽)最初はヤフーオークションで売り出して、そのうち、ありがたいことにファンが増えてきて・・・。


ヒビノ)オークションでは作家的な感じで、自分の名前をつけて売っていくっていうことやんね?


美濃羽)そうそう。最初にfu-koっていう名前をつけて、それで今もそのままで。なんでかっていうと、「フモフモコアラ」の略やねん。


ヒビノ)フモフモコアラ?なんでフモフモ?(笑)


美濃羽)娘の好きなコアラのぬいぐるみの名前やってん。子どもの名前ですか?と聞かれるけど、ちゃうねん(笑)

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ヒビノ)あはは。どのくらいの期間ヤフオクでやってたん?


美濃羽)うーん、1年~2年くらいかな。でもな、値段が跳ね上がってしまうことが出てきたねん。一点ものっていうのもあるやろうけど、オークションの魔力性みたいなもんもあるやろうなって思って・・・ガーゼで作ったスカートが一万円超えてしまったりして。でも、こっちではどうすることもできへんやん?そういう時、「ごめんなさい」と思って、もう一枚つけたりとかしてたなあ。


ヒビノ)それは、気がひけるとこあったやろうなあ。お客さんが決めることとはいえ。


美濃羽)そういうのもあって、どこか「申し訳ないなあ」「もらいすぎやし、返さなあかん」って思いがたまって、しんどくなっちゃって・・・。


ヒビノ)沢山売れるのは嬉しいけど、プレッシャーになっちゃったんやね。
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ヒビノ)逆に、オークションのいいところってどのへんなんかなあ?ほしい人のニーズが分かるとか。


美濃羽)あ、そやなあ。これはほしい人が多いんやなあっていうのはわかるよね。ウォッチリストに、登録してる人の数が多い商品とか。写真のうつりによって人気が出る、出ないっていうのもわかってくるし。


ヒビノ)写真って大事やでなあ。わたしはオークションでものを買うとき、そのへん逆手にとってるよ。「ここのブランドのこのデザインやったら間違いない」ことが分かってる場合、写真のうつりが悪いために人気が出てない商品がちょくちょくあるねん。そういうのを見つけられると、ライバルがいなくて買いやすい(笑)


美濃羽)ありやね~それ(笑)


◾️ブログでの信頼関係作りとネットショップ開設へ。

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ネットショップFU-KO basics↑今は子育てとバランスをとりながらやっているみたい。
 
 

美濃羽) それで、わたしがオークションやめて自分のネットショップで売り出したのが3年前、子どもが3歳くらいのときやねん。それを機に、保育園も入れて。


ヒビノ)ちょうどよかったんやね。でも、それまで一緒にいながら仕事できてたのもすごいなあ。


美濃羽)そうそう。寝てる時とかやから、夜中とか。あのときは元気やったわ、今は無理やけど(笑)


ヒビノ)ショップは、どんな風にやってるの?


美濃羽)えっとね、新しい服ができたらブログで告知してからショップで売る、という感じ。「売りま~す」と言って、時間になったら在庫をつけて、買ってもらうんやけど。


ヒビノ)そんなことができるんやなー。ブログとネットショップとの連携で。そういうスタイルをとってる作家さんは、結構いてはるん?


美濃羽)そやなあ。結構いてはる。今はショップも安くで開設できるし、自分のドメインも取れるしね。
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ブログ:FU-COなまいにち↑京都でのライフスタイル、子育て、まゆみちゃんのコーディネイトも定期的に載せられていて、楽しい♪
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美濃羽)お客さんも、最初の頃からずっとうちのを買ってくれてて、お子さんが0歳~今までのを写真集にして毎年作って送ってくれる人もいて。もう感激して、墓場に持って行こうと思うくらい。


ヒビノ)ああ、本当に嬉しいね。それだけ信頼がおけて、お互いにそういう関係ができてるって、すごいことやなあ。まゆみちゃんって、ファンがしっかりとついてはるやん?それってなんでやと思う?


美濃羽)ブログかなあ、やっぱり。最初は、この服作ってる人はどんな人?というのを知ってほしいなと思ってはじめたねん。わたしがものを買う時に、これってどんな人が作ったんか?どんな風にできたんか?すごく気にして買うから。


ヒビノ)そっかあ。そういう意味ではやっぱりブログって大きいなあ。うちのお菓子工房もそうしているけど、今ネットショップを個人でやるんやったら、そういう個人メディアとセットでやるべきやとは思う。「モノをただ買いたい」というよりは「誰それから買いたい」という人が一定数いるから。

まゆみちゃんのブログは、服だけを紹介するでもなく、ライフスタイルも含めて自然体で表現されてるところが好き。7年前の早い段階からそれだけ、買い手とのコミュニケーションを大事にしてきたってことやね。
 

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◾️過去、webの雑貨屋さんで勤めた経験が生かされて。


ヒビノ)最初、ブログと連携させて自分でネットショップ作るの、難しくなかった?


美濃羽) もともと、会社勤めてる時も雑貨屋さんでネットショップ担当やったから、慣れてるのもあったかも。


ヒビノ)昔、webの雑貨屋さんにいたんやー。


美濃羽)そうそう。妊娠する前、3年くらい。そこでweb部門の立ち上げから手伝って、どんな売り方がいいかとか、どんなキャッチがいいか?とか色々試したの。


ヒビノ)そっかー。そういう経験があるのって、大きいよね。

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美濃羽)在庫、発注、気付いたらトップページの更新とか任されるようになってて。そん時、バナーの作り方とかもわからへんかってんけど、見よう見まねではじめて(笑)最初ワードもエクセルもできへんかったけど、できます!って言ってやる、みたいな。だいぶめちゃしたなあ。


ヒビノ)でも、デザイナーさんとかでも、実はできないことでもまず「やります!」と言って、実際何とかやってしまって、実力にしていく人もいるよね。しかしトップページ任されるってすごいな(笑)かなり会社の重要なとこやん。


美濃羽)そうそう。それで、さいご部長職にまで昇りつめてしまって・・・(笑)


ふたり)あははは!なにそれ、すごい!


ヒビノ)それだけの結果を出してたってことやんね。20代前半で「部長」って。


美濃羽)もう、今後そういう役職つくことはないと思うねんけどな(笑)でも、頑張りすぎてちょっと燃え尽きちゃった面もあったな。


ヒビノ)立ち上げって大変やし、エネルギーいったやろうからなあ。


美濃羽)ほんとは、変わりはいくらでもいて、わたしが求められること以上のことをやろうとしてしまってたんやと思うんやけどね。


ヒビノ)そっかあ。まゆみちゃんはいつも、「もっと良くしたい」っていう思いがあるんやろうね。でも、ショップの立ち上げはその経験があったから、スムーズにできたんやろうし、ここで報われた・・・!的な。自分のショップ立ち上げた時点で、もうすでにオークションでファンもついてたってことやし。
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◾️いかに自分をラクさせてあげれるか?のシステム作り


美濃羽)そやね。最初は、常にショップに在庫があるようにしたかったんやけど、すぐに売り切れてしまって。


ヒビノ)一点一点手作りやから、すぐに沢山できるわけじゃないしなあ。今はどんな流れでやってるの?


美濃羽)受注生産みたいな感じで、布を確保して、この布で何枚作れるからその数の在庫をつけて、サイズのオーダーをお聞きして、縫いあがったら送るねん。


ヒビノ)ロスがなくていいね。


美濃羽)そうそう。一ヶ月に1回くらい作れる量をアップして・・・だいたい、50~100点くらい。


ヒビノ)そんなに!かなりの量じゃないですか、それは。


美濃羽)どうやったら早くできるかは、かなり考えてるねん。
効率よくきれいに縫う方法とか、ロスなく布を発注できるシステムとか作って。
どんだけ自分をラクさせてあげるか?っていうのが大事やと思ってて。

ヒビノ)うんうん。一人でやってたら、めっちゃ重要なとこやでなあ。うちも、小さいお菓子工房で少人数でどれだけやれるか?ていう部分があって、かなりそこ考えたな。また教えてほしいわあ。



美濃羽)そやね。webの雑貨屋さんで働いてた時のシステム作りが、そういうところで生かせてるのかもしれんね。

(第3回ここまで。続く)
写真協力/美濃羽まゆみ
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◾️美濃羽まゆみさんの大人気本。










2016年1月に三冊目が出ます!ライフスタイル本「小さなくふう、ていねいな暮らしの作り方」

FU-KO 美濃羽まゆみ初のライフスタイルブック。町家暮らしのこと、手作りのこと、子育てのことをメインに、「FU-KOなまいにち」を豊富な写真付きでお届けします。ブログでも人気のお気に入りの道具、洋服のコーディネイト術、インテリアはもちろん、素材を活かす毎日の食事のレシピや、簡単で役立つソーイングレシピ、子育ての話など、盛り沢山な内容でご紹介致します。

12月にamazonで予約がはじまるそう。お楽しみに! 

◾️お話をうかがった場所 京都のキッチン用品カフェLADER

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京都のキッチン用品カフェ・LADERさんにて、お話を伺いました。使い心地が真剣に考えられたすてきな台所アイテムがいっぱい。あれもこれもほしくなって困っちゃう(笑)アイテムを使ったカフェでごはんを食べられますよ。





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