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10数年来の友人である上座仏教僧侶
プラユキ・ナラテボーさんはタイのお寺で副住職をしながら、悩みを持つ日本人のサポートをしていらっしゃいます。(関連記事:
合わない人ほど頑張って付き合ってませんか?「疲れる人と付き合わず、自分がいい状態になれる人と付き合えばいい」の仏教的判断軸を教えてもらったよ

 

苦しまなくて、いいんだよ。
プラユキ・ナラテボー
Evolving
2015-10-13


↑プラユキさんの著書。日常の仕事、人間関係、暮らしにいかせる話がたくさん。表紙はわたしが描かせていただきました。
プラユキさんはさまざまな人のサポートをする中で「夢と心の関係」も長年研究されてきました。私は鮮明に夢を覚えていて、絵にも描くので、数年に一度タイのお寺にリトリートで滞在している時は毎日、瞑想や仏教の講話に加えて夢分析もプラスして、変化を促進させてゆきます。これ、超たのしいんですよーー。

夢分析で「プラユキさんと夢を読み解き」→「そこから知恵を得て」→「現実に活かしていく」
という流れで一緒に分析してゆくんです。 

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夢と心の関係



夢には、現実での自分の行動や思考が

→夢(無意識)に現れ出てくる

→現実では受け止めにくい感情・無意識が夢の中で受け止められる

→意識化して、日常に活かせる知恵にする

→現実での行動・思考を変化させることができる(今までの失敗パターンから抜け出して違う手を使えるなど)

つまり、どんな夢でも現実に活用できるヒントがいっぱいなんですね。例えば夢で起きた出来事をしっかり味わうことで、無意識で早めに感じている大切なことをとらえられたり、現実で悪いパターンにはまる前に立ち止まって理性的に判断できたり、自分自身の影(シャドウ)と出会ってどう対応するか考えられたり、夢の中で意識して行動を変えるだけで現実での対処のシュミレーションになったり・・・いろいろできて面白いんですよ(これはもうやらないとわかんない、マニアックな世界なんですがw)

無知を憎んで人を憎まず?



「ねずみとネコの夢」これはわたしの背景と仏教的な方向からみると、「ねずみ=無知」「ネコ=気付き」と読み解けるそう。


”なんでこんな悪いことしちゃうんだろう?”と人の行動を見て思う時、”自分でも知らず知らず悪いサイクルに入って変なことばかりしちゃう時”ってありませんか?

それは何が原因かというと、「無知」「無明」が原因ということです。(「無明」は仏教用語で、宇宙や人生の真理に対する根源的な無知のこと。原始仏教では人間の迷いを生み出す根本と説明されています。)ということは、
「無知・無明を憎んで人を憎まず」これ、ちょっと気がラクになりますよね。


 ねずみ=無知が広がっていく」ということは、いいものも悪いものも見極められないで、無意識に悪いクセやパターンを繰り返しちゃう状態ってこと。そんな時、だいたい「ねずみを打ち負かそう!」と思ってしまうもの。


だけど、
ねずみを打ち負かそうとすると、もっともっとしんどくなって、逆にねずみが増大しちゃうこともあります。(影=シャドウにフォーカスして増大させるのに似てますね。)うまくいかないこと、悪いことを繰り返してしまうと、誰だって本当は辛い。苦しみが大きくなってしまいます。


それなら、自動的にねずみを獲ってくれる「ネコ=気付き」を育てていけばいい。「無知」や「無明」で物事が見えなくなってる状態を、「気付きの明かり」で照らしてしまうと、正しく見える(正見)ようになるってことかな。( 正見は八正道の一つ。仏教の真理(四聖諦(ししようたい)を自覚して,正しい考えをもつこと。) CIMG0937

夢と現実の橋渡し。タイのお寺は森の中。

いつも道は二つに分かれてる。いかに意識化して選べるか?

つまり、瞬間瞬間「あ、今こうしているな」と気がついたら、現実に戻り、より良い行動を選択していく。いつも道は、①今までの悪いパターンを繰り返す方②悪いパターンからでて、新しい良いパターンを作っていく方に分かれています。その時、②を取れるか?ってことですね。

悪いパターンに慣れていると、すぐに反応してそっちの道に入りがち。そこで、
パッと気付ける力が高まっていくほど、自然と心の中のねずみは勢力を小さくしてゆき、新しい良いパターンができていく。「ネコ=気付き力」が大きくなっていくというわけ。にゃるほど。

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埋めるより生やせ。足らないことより得意なことから。


この話から連想したことなんですが、例えば、心に穴があくようなことがあった時、それを埋めようとするより、心の土壌を肥やして種をまき、新しいいい芽を生やしていく。「埋めるより、生やせ」と言ってくれた友人の言葉を思い出します。ほんとに、振り返ってみるとそのとおりだなって。


失敗続きの時にも自分の足らないことばかりに目がいきがちですが、”まずは得意なことから伸ばしていくうちに、いつの間にか足らないところもカバーできるようになってる”ってことも、良くあること。
悪いものに注力して疲れるより、いいものを増やしてく。そんな建設的な方向に持っていけたらすてきだなーって思います。


こんな風に、夢からの情報をもとにして、現実でも努力していく方向性が見つけられるのは面白いこと。

ちなみに、悪いサイクルからいいサイクルに変わるための気付きのツールは人それぞれ違うと思うんです。わたしの場合は瞑想だったり描くことだったり。人によってはマラソンだったり、掃除だったり、目の前の仕事をひたすらすることだったり。フラットになれて、その上で「パッ」と現実に気付き、判断する余力がある状態。そんなサイクルに入れる方法(ネコを増やす方法)を持ってるとラクですよね。

ということで、今日はちょっとマニアックな夢と仏教のお話でした^^ ではではまた〜。


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