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広告デザイン業界の友人経営者と話していたら「長い目でやっていこうとしたら、どうやって独創性を保っていくか、0から1を生み出すところを保っていくのはすごく大事なことだよ」という話になった。


 「私たちは、クライアントのニーズにこたえてモノを作る仕事をずっとやってきたから、相手が望むものを作るのには長けている。でもね、10年以上そればかりやってくると、自分の中からわいてくるものが枯渇してしまう感覚も覚えるんだよ」


「だけど、この人・この会社ならではの何かがないと、この先価格競争に巻き込まれるだけ。次を生み出せないと、未来が見えなくなる。仕事をまわしながらも自分の創造性をなくさないで進むことは、難しいけどとっても大事なことなんだよね」


わたしは「外側から見れば一見クリエイティブに見える会社でも、そうなんだなあ・・・どうしたら、枯渇しないで独創性を保っていけるんだろう?」そう思って聞いていた。


ある大御所イラストレーターの先生が話してくれたことが重なった。


イラストの仕事をする場面でも、それが広告的な仕事か、作品的な仕事か、パッケージなどの仕事か・・・などで作るものは違ってくる。

先生は、よく「きっかけ」という言葉を使っていた。「作るきっかけ」それは仕事で与えられる依頼のこともあれば、自分発のテーマ設定である場合もある。どちらがきっかけになってもいい。


ただ、先生ほどの方でも、小さな広告物などで同じ種類のことばかりをしていると、次に大きな作品的ポスターの依頼がきた場合に、発想するのが難しくなったりするらしい。使う回路が違うのかな。


ニーズに合わせて同じことばかりしていると、自分が飽きてしまう感覚もある。飽きてしまうと、枯渇してくる。行き着く先はコピペ・・・???


そんな中で創造性を保つためには?


先生が若い頃、先輩に言われたのは「受けた仕事のニーズを満たした、これで決まるだろうという案をいくつか出す。もう一方で’自分はこれがいいと思う案’を必ず作ること。却下されるとわかっていてもいい。徹夜してでも作ることによって、自分のバランスを保てたそうだ。


展覧会などもそういう意味では大事な場。自分なりのテーマを設定し、おもしろい、新しいと思うものを創造していく。それを見て気に入ってもらえれば、これからの仕事の方向性にハンドルを向けるきっかけにもなる。


仕事を回していくこと、ニーズに応えることはすごく大事。もう一方で自分発の創造性を忘れない。そのバランスは、どんなにすごい人でも、企業でも、もがきながら取ってるんだなあと感じて、すごく勉強になった。


歩むことと冒険、どちらも持ちながら道を作っていきたい。


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自然派菓子工房「ぽっちり堂」
山の素材で手作りした優しいお菓子ギフト・内祝い

■著作エッセイ漫画
山カフェ日記~30代、移住8年。人生は自分でデザインする~
山カフェ日記~30代、移住8年。人生は自分でデザインする~ [コミック]





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