
zoneさんの絵。この人魚は、タカツキさんのCDジャケットにもなっている↑
この間、絵描きの友人zoneさん、詩人で歌手のtotoさんと2日間くらい過ごしていたら、思い出す感覚があった。彼女は、ひとりで充実した創作時間をいくらでも過ごせる。造形のプロセス自体を一日中遊んで生み出していくような人。

zoneさんの映像とtotoさんの詩のユニット「ポンデローサ」のライブで、zoneさんのアシスタントをするということになり、準備をしていた。
目的もなく、ただあれこれ試してみたり、楽しさに身を任せてあっちからこっちへと筆を動かしてみたり。これとあれを組み合わせて、こんな風に動かせばキレイなんじゃない?と試してみたり。

・・・そんなことを夢中で1日中やってる時間。
久しぶりにハサミで、こんなに細かい切り絵を作ったよ。
光の当て方も工夫して、めっちゃ楽しかった。
こんなものが道具になっちゃうんやね。
これ、おもしろくない?うわ、すごくないこの発見!
そうそう、この感覚。これこれ。
時間さえ忘れ、プロセスを楽しむうちに不思議と「作品が出来上がってゆく」感じ。
自分も人も癒されながら、わくわく興奮しながら生まれてゆく感じ。
造形というのは、こうやってできてゆくんだった・・・

意味がなさそうなプロセスと無駄に見える時間で育まれるもの
デザイナーというよりも、造形的なアーティストには、小さな頃から日々の中で湧いてくる「思索の種」を、知らず知らずに「深くもぐってみつけにゆく習慣」があるように感じる。そして、意味もなさそうなプロセスを夢中で繰り返すうちに、糸と糸が結びつき、何かができていく。
久しぶりに、そんなことを体で思い出させてもらった。わたしたちは、いつも目的のあるものを納期に向かって作っていることの方が多い。もちろん、仕事の依頼を受ければ、それに沿ったものをしっかりと作る。だけど「この見えない時間」をケチることなく、いかに大切にして熟成させているか?がその質に出てくる気がする。

ひとり遊びをしていて、悪いと思ったことなんて一度もないよ!
表現の産み方のプロセスは、人それぞれ全く違う。美大で学んでいた時には沢山のアーティストに触れて、さんざん見てきたはずなのに、いつしかそれを忘れて人と比べたり、同じようにしてしまってつぶれてしまう人もいる。
でも、それじゃもったいない。みんなそれぞれ自分に合うやり方があるんだから、それを見つけておきたい。見失ったなら、想い出したい。アートだけではなく、生き方だってそうだと思う。
「一日中ひとり遊びしてて悪いと思ったことなんて、一度もないよ!」そう言い切ったzoneさんとその作品が大好き。一生こうやって夢中の時間を過ごしながら、何かを産んで行きたいね。

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