■表現者のタイプは違う

台風が去って、もくもくの夏雲。この暑い中・・・
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近くに住む、画家の川原将太さんが「陶芸の本貸して~」とやってきました。彼は旅しながら絵を描く画家で、海外の展覧会などで絵を売り、今は高知県嶺北地域でしばらく暮らしています。(関連記事
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最近、絵だけではなく、陶器に絵をかくことにも興味が出てきたらしい。で、いろんな人に協力してもらって道具や本を探してるそう。画家のフィールドで陶芸をするのは、面白いかもしれないなあ。


わたしは、大学で陶芸専攻だったので(今は全然やってないけれども)ひさびさに陶芸本をひっぱりだしてきましたよ。自分がもう使わないものでも、誰かが使ってくれれば嬉しい。川原さんからは陶芸のこと・・・顔料と釉薬の違いとか、ぬるタイミングなど質問を受けました。
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■製作プロセスが自分の体のリズムに合っているか?は大事

そうそう。そういえばこんなことしてたなーって。忘れてるけどうっすら思い出しましたよ。ひたすら焼いたあのころ・・・(*・ω・)ノうんうん。


陶器は今でも好きだし、田舎暮らししてると、イメージなのか「なんで陶芸せんの?」って逆に聞かれるくらいなんですが(笑)わたしの場合は、陶芸の長期的な工程プロセスが自分のリズムにどうしてもあわなかったんだよね。


粘土から形を創って→乾かして→素焼き→釉薬→本焼き。何ヶ月通しての製作への計画性が必要だし、科学的な観点もいる。色は絵の具のようにみたままではなく、黒っぽい薬がやいたら赤になる、など複雑。実験を繰り返して答えを導き出すような感じなんです。


これ、一度頭の中で変換してから表現に持っていかないといけなくて、とっても難しかった。唯一、土から自由に形を創るまでは好きだったんだけどね。
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「今すぐに感じたことをあらわしたい!しかも量はいとわない」というのがわたしの本来のタイプなので、イラストや文章、今のブログと言う形とかがしっくりくる。体のリズムにあってるんです。道具も紙とえんぴつで、シンプルなのが好き。


こういう「表現のプロセスを愛せるか?工程や時間のリズムが自分の体に合ってるか?」っていう気付きは表現者にとってはすごく大事なこと。合ってないままやってもいい部分が死んじゃう気がするんです。

■表現する場所や装置があっているか?も大事

例えばネット上のツールも、FBでの表現があってる人もいれば、Twitterの短文が合ってる人もいる。ブログである程度の長文を描くほうがあってる人もいる。世界観をビジュアルでみせるインスタが合ってる人もいる。そういうのって、まず試してみないと分からないですよね。やってみて、自分がしっくりはまるところ、喜ばれる場所、装置を探すのはとても大事なこと。勝てる場をみつけることにもつながります。
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こんなの作りたいんですけど、ということで工程を推理して読み解く。

■表現の内的なプロセス・順番は人によって違うから大事にしよう
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表現の内的なプロセスも、人によって全然違う。例えば、川原さんのようなタイプは、かっこいい形のビジュアルがきっかけになる。四角い画面に形を構成していく。いけばな的な感覚で、この画面にかっこよくどうおさめようか?もようやパターン、カラフルな色が浮かんでくるらしいんです。でも、わたしの場合は、それでは全く出来なくて、なにかしらの「用途」とか「文脈・ストーリー」がきっかけになって、浮かんだ情景を描いていく感じ。


例えば絵本ひとつ描くにしても、川原さんならまず形を描いて、それから音とかストーリーをつけるんだと思うんです。わたしの場合は、まずストーリーを描いて、それから絵ができていく。同じ絵をかくという行為でも、これだけ順番とかプロセスは違うもの。

あ、ただ一つどちらもに共通することは、量をこなしてることかな。量はまず質を作るためにやらなきゃはじまらないです。(関連記事


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自分にないものには憧れます。わたしも、しゅっとしたデザインやかっこいい模様パターンをかける人にものすごく憧れるんですが、真似してやったとしても、なんかしっくりくる到達点がやってこないんです。ときどきは取り入れようと吸収して浸透させる。幅を広げるのは重要なので、やってみます。


でもやっぱり基本は、自分のプロセスや順番にあったやり方で伸ばしていくのがいいんじゃないかなあ。しっくりくるところの完成度は高めていきつつ。そしたらいつか、コントラストの幅や広がりのある色使いが出来るようになってくる。


自分を知ることも、表現にとってはかなり大事なことですね。あらためて、表現のプロセスと、人によっての違いを確かめた時間でした。


■基本的な陶芸を学びたい方に。
陶芸を学ぶ〈1〉素材と技法 (美と創作シリーズ)陶芸を学ぶ〈1〉素材と技法 (美と創作シリーズ) [大型本]








■自宅で簡単にできる七輪陶芸。これ、かなり面白くて味が出ます。はまりますよ~。

吉田 明
双葉社
1999-03

角川書店
1998-05

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■著作エッセイ漫画
山カフェ日記~30代、移住8年。人生は自分でデザインする~
山カフェ日記~30代、移住8年。人生は自分でデザインする~ [コミック]










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