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私たちは9年前、息子が生まれると分かったときに「どこで育てたいか?」考えた末に夫の故郷である高知の山奥へ移住することにしたんです。全国周って探したけど、結局ここが一番と思えたのは、自然環境だけではなく、夫の祖父母が健在だということも大きかったです。


9歳~99歳までか色んな年代の人が関わりあって暮らすこと。それは大きな愛情や、考え方の幅をくれます。私たちが移住した時、ずいぶん弱っていたおじいちゃんは、赤ちゃんだった息子をあやすうち、びっくりするほど元気になりました。今では他の人が呼んでも反応しない時にも、息子が声をかけると答えてくれることが多いです。「これは大切なこと」「これは人としてやってはいけないこと」も時々教えてくれます。


一緒にいられる時間は残り少ないけれど、息子にとっては「死生観」も養われる機会なんじゃないかな。大切な人と過ごし、大切な人がいつか死ぬ。それはとても辛いことでもあるけれど、その過程をたどりながら毎日の中で感じられることがある。「存在感」だけで伝わるものを体感する。かけがえない記憶になるんだろうなと思います。人や自分の命への考え方も変わってくるような気がするなあ。(関連記事


そうそう。最近読んだ漫画の中で、これめっちゃ面白かったんです!
離島で研修医をした方の実体験が漫画で読めるのです~。



若い研修医が、お年寄りばっかりの離島の医院へ研修へ行くお話。ここで出てくる島の人達は、「命を永らえさせること」だけに焦点があたっていないのが印象的でした。人生をどう過ごすか、楽しむか?「生きることに焦点が当たっていて、自然に死ぬことがある」感じ。


例えば、時々魚アレルギー発作で運ばれてくる漁師さん。お医者さんが「魚やめなさい」って言っても「いや、食べる。だって、魚好きだもん」と、フツーに帰っていく。また、89歳で脳出血で倒れたおじいちゃんは、都会の設備が整った病院に搬送されたけど「どうしても島にかえる!」と言ってきかない。帰れないうちに、どんどんボケ症状がひどくなって弱っていき、それをみた家族はいちかばちか島につれて帰る。そしたら、ごはんもパクパク食べだし、リハビリも自分でやりだして、脳もさえてきて・・・。そういう島の人を見て、研修医は思う。
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どういうことが幸せなのか?
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(出典:「離島で研修医やってきました」より)

医院長は、懐かしの「赤チン」をお年寄りが「落ち着くから塗って」といえば塗るし、在宅看護するときにはその家のやり方にあわせて柔軟に対応する。星いっぱいの景色を見せてくれたり、アイスをおごってくれたり、孫みたいに研修医たちと触れ合う。イノシシの捕獲免許を持っている婦長さんの料理もいいんです♪


本気で笑えるストーリーもあれば、泣いてしまうくらい素晴らしい場面も。「地域医療」のあり方としてすごいなあと思うところが詰まった本でした。島のゆるくてたくましい暮らしも描かれていて、私の中ではかなりのヒット作品でした。


離島で研修医やってきました。 お医者さん修行中コミックエッセイ<離島で研修医やってきました。>
離島で研修医やってきました。 お医者さん修行中コミックエッセイ<離島で研修医やってきました。> [Kindle版]
水谷緑
KADOKAWA / メディアファクトリー
2015-04-17


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■著作エッセイ漫画
山カフェ日記~30代、移住8年。人生は自分でデザインする~
山カフェ日記~30代、移住8年。人生は自分でデザインする~ [コミック]







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自然派菓子工房「ぽっちり堂」
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