■こどもマルシエ初開催!
先日行われた初夏の「れいほく・お山の手作り市」のなかでは「こどもマルシエ」を初開催。きっかけは、出店者の子供が自然と「何か作りたい」と手作り品を作り、親のブースで売っていたこと。働く親の姿に憧れて、実践をはじめる子供達のための場所を作ってあげられたらいいね、ということに。
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■想いから出来た場

移住支援の仕事をする鳥山さんと、移住者ママ達が中心になって企画して下さいました。本当に感謝です。ブース作り、布、グッズなどはみんなの持ち寄ったものも多く、想いでできている場。嶺北の子供たちに加え、やりたい子は申し込んで頂ければ参加できます。親は無理のない範囲で見守り、こどもが自分でやることが基本。
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最初はどの子も緊張していて、どうしていいかわからないや~って感じ。お客さんが来てくれるに従って、表情がやわらかくなり、商品の説明をしたり、声を掛け合ったり、とっても晴れやかな顔に。

■息子の体験型スライム工場
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みんなそれぞれ、子ども自身が売りたいものを作って来ます。うちの息子は、スライム作り体験工場をすることに。

家で準備している様子。スライムというのは、ビヨンビヨンと伸びる謎の物体です。夫が小学生のとき仮説実験授業で教わったそう。使う原液を仕込み、つくり方と注意事項、POPも書いて準備OK。

実際にお客さんが来てくれました。この方は「昨日のFB投稿をみて、スライムなつかしい~!オレ、作りて~!!って思ってきたんスよ!」と。そんなに創りたい大人がいたなんてびっくり&嬉しかったね。説明力がついていくのも大きな学びです。

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ねりねり・・・二つの液体をまぜていくと、こんな状態に・・・3分くらいで出来上がるのがちょうどいい時間。
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すごい行列!最初ははにかんでいた息子も、どんどん声を大きくしてお客さんを呼び込んだり、声をかけあったりしていました。

■自分自身で価値を作れる大人に

どの子も時間をかけて作ったものが喜ばれお金にも変わるということが、自信になっているなあと感じました。売値は上限50円まで(ひとつの商品につき)と決まっているので、どんなに売れても莫大な収益にはなりません。「だけどやっぱり食券みたいな擬似的なものではなく、小さくてもリアルなお金を流通させてよかったね」と、鳥山さんとお話ししました。
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■「お金」は普段、こどもから遠ざけていきがちだけど「どうやって稼ぐものか?」「どうやって生み出すのか」実感する場が大事。

いつもは「親が自動的に稼いでくるもの」と思っているのかお金の価値をいまいち分かってないような気がしていた息子ですが、こうやって自分で稼ぐ体験をしてみて、喜びとともにお金の重みを感じられたようです。(その後の使い方が丁寧になった)
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最初は売上金額だけで喜んでいた息子ですが、その後「売上-原材料-おつりのために前もって入れていた金額」=収益という計算をし「え・・こんなに減るが!!あんなに働いてこれ?」とびっくり。


「じゃあ、次はどうやったらもっと収益が生まれるだろうか?」って考えていましたよ。いつもはあと片付けが嫌いな息子も「自分の仕事だ」という自覚があるのか、やっていたのが印象的でした。
■石のアート
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みんな、発想はいろいろで面白い!この子は、桂浜でひろった石に味のある絵を描いてきてたんだよね。これ、いい味だしまくってて、私はじめ大人にも人気に。
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私は「きつね」を買いました。このピンクの物体は、彼がつけてくれたおまけで「妹がつくった謎の生物」だそうです。大喜びしてる図がかわいすぎました。
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■半オーダーメイド
こちらのブースもよく売れてました。カラフルなゴムでつくるアクセサリー。これのすごいところは、見本はあり、一つ一つ、その場でお客さんの好みをオーダーいただいてから30分くらいかけてオーダーメイドするという方式。
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■「自然とお客さんがきてくれるんじゃない」という学び

今回は、このゴムアクセサリーやスライム工場のように、
・半オーダーメイド
・体験型
のお店をした子のところにお客さんがいっぱい来てくれたんです。

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出店していたFちゃんは、家で色々なグッズを作りこんできて売っていたのですが、そういった様子を観察するうちに「あの子のブースはよくうれているね。お客さんって、あんな風にすると来てくれるんだ!」「こういうところを取り入れて・・・でも、あのことかぶっちゃうとダメだし、違うことでやってみよう」と言うまでに。きれいなものを丁寧につくれるFちゃんは「次のマルシエまであと二ヶ月あるから、これだけ作れる」と計画しているそうです。
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小1の子も「今回やってみてマルシエがどんなものかイメージできたから今度はこういうのしたいな!」と。
こんな風に、観察し肌感覚で分かること、実験してみることってすごく大事。
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木でつくったはしおき↑

■夢は現実の段階を踏んでかなえるもの

やってみるうちに、当たるものもあれば、当たらない物も出てきて、わかってくる。仕事って、いきなり「自己実現」というものはできない。夢をかなえるには、夢で対処するんじゃなくて、「現実の段階を踏んで」現実でかなえていかなければならない。だから、こんな風に一つ一つ、小さなうちから現実の段階を自分で踏んでいける実践場があることは、本当に素晴らしいことだなって思ったよ。
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■ひとりひとりに声をかけてくれる地域の人

あるおじいさんが一人ひとりのブースをまわって丁寧にこどもの話を聞いてくれていたんです。
「これは、あなたがつくったのかい?」「どんな風に?」「よくがんばったね」時間をかけて、会話して。

「こどもがやってるから義理でかう」じゃなくて、「その子の頑張りを認めている」この子たちが育つのを応援したいっていう気持ちがにじみでていました。こんな風に「孫みたいに思ってくれる存在」が、親だけでなく地域にも広がっていくのがとても嬉しいです。

■自分の足で歩けるひとに。
鳥山さんとは「これからの時代には、人に頼るんじゃなくて自分で「価値を作れる力」を付けること」が大事だねって話をしました。「たとえ会社員になったとしても、言われたことそのままじゃなくて、工夫する力があるかどうか」こどもマルシエは、小さいけれどそれを少しでもリアルに実感できる場としてすばらしいなって思いました。
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■こなすんじゃなくて、「価値を作る」ことがシゴト

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仕事を承ったとき、そこにしっかりと「何らかの価値を作れる人」か「こなす人か」には大きな差が出てきます。「こなす」
だけでは町も企業も衰退していき、これからはどんどんロボットに代役されていくでしょう。だから、小さいうちから仕事というのは「何らかの価値を作っていくもの」であること。その結果「喜ばれてお金が得られる」という感覚をからだに刻み込むことが大事。こども達が大人になった時そういう気持ちで仕事をすることは、会社や地域を一歩でも良くし、人間ならではの何かをつくれる基盤になると思うから。
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■誰でも参加できるブースもあるよ
ブースを出店してない遊びに来た子でも、三角巾とエプロンがあれば、店員さん体験ができます。ず~っといてくれて一生懸命やっていた子が印象的でした。
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まずは中学生のお姉ちゃんにやり方を教えてもらって自分でやり、さらに・・・・
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 もう明日から働けるかも・・・ってくらいしっかりした子でした。子供の個性って、どこにあるのか意外とわからないから、こういう体験をしてみるのっていいですね♪
 

今月は、地元のいちごを使ったいちごサイダーと、
 
ポップコーンがこのブースの出店物でした。これなら、簡単なので小さな子でもやりやすいですね。

■「ぼくはここにいてもいい」本気で人に認めてもらえる場

鳥山さんは「まず、ぼくはここにいていいんだなあって思える気持ちが大事だと思うんです。ぼくはぼく。わたしはわたしでいい。みんな出店する内容も違って、だからこその良さを感じられること。今は自分に自信がない子が多いから、親以外に本気で認めてもらえる・喜んでもらえる機会が大事。まず今日のマルシエに、一生懸命準備もして来てくれたことだけでも、すごいと思う。それをしっかりほめてあげたい」とおっしゃっていました。
 
■良心的なワークショップ
大人が子供もできるワークショップをいくつか企画してくれていました。これは、梶ヶ森山荘の天文台さんによる望遠鏡つくり。月や星がばっちり見えるそう。
 
こちらは、くるくる市。みんなが使い終わった子供服を必要な人に回そうっていう市。こういうのがあるのって、ほんとありがたいです。

会場外には吉野川。
 
おすそわけも。
 
■こどもがこどもをひきつける

今回こどもマルシエをしたことで、地元のお客さんがいつもより沢山きてくれました。保育園の保護者さんとか、こども連れの家族、おじいちゃんおばあちゃんたち。誰でも座ってしゃべられるスペースや、ワークショップできる場所もあってよかったな。新しい居場所が出来ていく感じで。


田舎は普段、子供があまりにも少なくて、自分に子供や孫がいなければその存在を認識しにくい。だけど、マルシエのように子供の存在感がバーン!と出る場所があると「ああ、こどもってこんなにいたんだ!」「大事にしたい」「この子たちのために地域の環境を整えたい」ってなる。



マルシエの新聞記事を見て、その後も問い合わせや、参加したい!っていう子の声もきているそう。
嶺北は子供連れの家族世帯の移住が多いのですが、マルシエができたことでますます色んな面で「こどもがいきいき育つフィールド」になったらいいなと感じました。本当に、企画者さん、手伝ってくださった方々、来てくださったお客様に感謝。こどもたちも、すばらしいものを見せてくれてありがとう。

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