生活に必要な最低限のお金の実験


私たち夫婦が、若い時にさっさとやっておいて良かったなあと思っていること。それは、「自分たちが暮らせる最低限のお金はいくらか」を実験してみたことです。21歳~当時婚約者だった夫と、京都郊外の廃寺を借りて暮らしていました。当時は自分たちの暮らしをできるだけ手作りする、というコンセプトでした。
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■薪ストーブ
ラッキーなことに近くに製材所があったり、使って良い木を譲っていただいたりできる状況。そのため薪ストーブを使って暖房と煮炊きをしていました。その際の薪ストーブも、高級なものではなく、「だるまストーブ」っていう本体3~4000円+煙突8000円くらいのもの。
一応プロパンガスも常備していたけど、これは固定費がかからなくて、使った分だけ払えばよかったので安かったです。

■野菜
小さな畑でちょっとだけ野菜を作ってみたり、農家さんも多い場所だったので近くの直販所も安くて新鮮な野菜が手に入りました。

■水の問題
そこは水道が通っておらず井戸も枯れてしまった場所で、飲料水は水瓶に湧水を運んで、水汲み生活。生活用水は「雨水タンクを設置し濾過して使う」という技術も覚えました。これは日本で暮らすにあたってはなかなかできない、希少な経験だったと思います(*^・ェ・)ノ
水がなく不便ということや、その家を管理する条件もふくめ当時家賃は3千円/月。京都はもともと銭湯文化があるところというのも幸いし、いろんな銭湯をめぐるのも楽しかったです^^

■物々交換ネットワーク
友達のネットワークもあったので、車をほぼタダに近い値段で譲ってもらったこともあるし、服など色んなものを物々交換して回しあってました。

そんなこんなで、当時は「苦しい節約」というよりも「楽しくてつつましく」感覚で、当時二人の生活費を合わせて約7~8万円/月。(年金や保険料は別)

そういった実験をしてみたことで、子供が生まれて家族単位になり、もう少し便利な生活に変わった今でも・・・
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↑こんな風に何かがあってもなんとかかんとか生きていけそう、と思えることは最大の安心です。

不便を知ると贅沢がわかる。最低限を知ると、自由が広がる


そう、必要最低限の暮らしとお金がわかるって、かなりの安心材料なんですね。
友人にもこんな人がいて・・・
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こう言っていました。彼女たちは自分の手で、かなりボロボロだった古民家を修復して暮らしています。(今では立派!)
屋根があって、壁があって、あたたかい布団で眠れるだけでありがたい。

私もこの気持ち、すごくわかるんですよね。不便を知っているから贅沢もわかるというか・・・水汲み生活があったからこそ、今は水が蛇口からザーッと出てくれるだけで「うわっすげ~贅沢!なんてこった、ありがたい」と思います。

自分を圧迫せず選択肢が広がる「経済の作り方」


生活費ってふくらまそうと思えばどこまでも膨らませられます。
「あれがほしい、これがあればもっと素敵になりそう・・・」
そう思うことは楽しいことで、それを励みに仕事がんばろう!って思うのはいいことでもあります。

だけど、それがいつしか「これがないと困る」「これだけないと自分は生きていけない」となると、自分自身を圧迫する材料にもなってしまう。


だからこそ、このステップは大事だと思います。
1、自分自身の生活に最低限必要なお金(ミニマムで)を一度しっかりと出してみて実験してみる
2、把握したうえで、+αは自分たちの選択で作る。方法は好きな方法で

2においては、本当にそれぞれで、
「ミニマムに暮らしていくことを楽しむ」のか「お金を払ってできることを楽しむ」のか、
「ミニマムながらも大切なところはお金をかせぐ」のか、「貯金はいくらするか」
「学びや教育にいくら投資するか」
などはそれぞれの好みや嗜好で選ぶことです。

別に田舎暮らし=つつましく、と決まっているわけでもないし、かといって何でもかんでもお金でリッチにすればいい、というわけでもない。ここは自分たちの考え一つで変わってくるところだと思います。

自分たちが暮らしていくのに必要な経済をまかなう方法。
「自分経済と、貨幣経済」選択肢が広がる田舎暮らし


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自分たちが暮らしていくのに必要な経済をまかなう方法は、二種類あると思います。

1、お金をかせぎ、ほしいものを買う「貨幣経済」
2、自給自足など直接的な方法で必要なものをまかなう「自分経済」
(こっちは、笹の家が例↑で、「お金稼いでいる時間があれば、ぼくは薪を集めていたい」という人もいて、それもできうるということです)参考記事はこちら

田舎で暮らしていると、「自分経済」を作れるという選択肢が増えます。余地ができるというか。
生きていく方法の幅が広がって、ここが面白いところ。

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ということで、今日は生活に最低限必要なお金の話でした。
どちらにせよ、ミニマムを知っているのは生きていく上で安心材料になります。
生き方の幅が広がる働き方や暮らし方はもっともっとあっていい。
研究していけたら楽しそうですね。

(関連記事)
■私が住む高知県の山奥、嶺北地域。
移住支援NPOれいほく田舎暮らしネットワークの冊子に「田舎暮らしの生活費」が算出されています。こちらも周りの移住者の声から出したリアルな数字が。一つのご参考にどうぞ→



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