大変なことっていつ来るの?


世間やニュースで「社会にはこんな問題が・・・」と取り上げられていること。例えば格差、仕事のなさ、空き家問題、少子高齢化、貧困、色々な問題が深刻に語られています。

高知の山奥に住んでいる私は「そんな大変なことは、いつ来るんだろう?」と、ドキドキそわそわしていました。だけど、ある日はっと気がついたんですΣ(・ω・ノ)ノ

都会では「もうすぐせまりくる恐怖」である課題が、
田舎では「は!すでにもうその問題まっただ中で暮らしてるやん」状態だということに。

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例えばうちの町では、総人口における65歳以上の割合(高齢化率)は43.0%(2010年度統計より)すでに4割を超えていて、10人に5人が高齢者になる未来も近い感じ。
また、高知県は平均年収も全国で最低クラス。


そんな渦中でリアルに暮らしている一人の当事者としては「怖がっているほど不幸でもない」という感想です。(当然、同じ問題でも田舎と都会で起こることに違いはあると思いますし、人によって感覚は違うと思いますが)


もう私達は避けようもない中にいるし、その中で自分達ができることを淡々とやるしかない。
正直、ここまで来ると怖くないっていうのもあります。

課題先進地の当事者意識。安全と危険の境目


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だけど、そのおかげで都会より断然早くに課題に対しての対策が始まっている部分もあるんですよね。また、私の周りでは一人ひとりに「誰もしてくれないんだから、自分たちで何かしなくちゃ」という当事者意識が強い。


実際の結果がどうなるかは別として、その意識を持つことは「とても安全なことだなあ」と感じます。


なぜなら「誰かがやってくれる」「政治が悪い」「企業が悪い」「自分達には関係ない」
そう思って誰も当事者感を持つことなく、放置しているのが一番危ないように感じるからです。


問題のおかげと思うこと


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問題なんて、ホントは起こらないに越したことはありません。
ただ、田舎で実際に起こっていることを見ていると、危機的な状況も、つらいことも沢山ある一方で、
よくここまで仕組み作ったな~」「すごいな~」「課題のおかげだな~」と思うこともいっぱいあります。


たとえば、高齢者対策もかなり進んでいるんじゃないかな。
在宅介護の家を孤立させないためのフォローとか、住民のボランティアで助け合いの場を作っていたりとか、社会福祉協議会や行政の動き、予防医学とか・・・色々なものが関わりあって、全体的なしくみが生まれている。


決して完璧ではないかもしれないけれど、高齢化する町で、みんなが一生懸命課題に向き合って培われてきた知恵や協力体制が形になって現れています。


課題先進地のため、例えば「今まで高齢化対策をして来た分、気付けばこれからは若者対策にむかっていける可能性があるのでは」など、次の手を打つのが早くなる要素も感じます。

スーパー少子化だけど、子育てしやすい地域


また、人口が少ないからこそ「一人一人の存在感」大切さが浮かび上がってきます。
子供をつれて町で出会えば、「〇〇ちゃん」と固有名詞で声をかけてくれる人が多いんですよ。
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地域全体で愛し見守ってくれる人がいるってこんなに安心なことなのか・・・と感じます。
そんな場所で暮らすことは、子供にとってすごくいい環境だし、親にとってもすごく安心。


少子化問題には、金銭的な問題や働き方の問題などはもちろん大きく影響があるけれど、町の雰囲気に左右されるところもあるんじゃないかな?

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「子供=迷惑」「子供=うるさい、騒音」と思われ、過剰に排除されていく町と、
「子供=宝物」「子供=大切に見守り育てるもの」と思って見守ってくれる町とでは、
「子供を産もう」という気持ちの余裕に影響があると私は感じます。

そんなことも手伝ってか、収入は都会の何分の一という田舎ですが、私の周りでは子沢山が多いです。(若者自体の人口は少ないけど、一家庭に3人兄妹がメジャーな感じ)

「お金を使わないで、暮らしの楽しみを開発」新しい価値観へのシフト


また、田舎の人は、
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この能力も高いです。


例えば自分達で自給した野菜を干したり、保存食を作ったり。川で釣りをしたり。
魚やヤギを飼ったり。
自分の山に手作りの小屋をたて、みんなが楽しめる美しい花を植えたり、祭りをしたり・・・


お金を使わないで、暮らしの楽しみを開発するのがうまいのです。
ここには、経済成長イケイケどんどんな時代ではなくなった今、幸せを自分で作るための大切なヒントがあるように感じます。

問題をチャンスにする強さ


こういう姿をみていると、問題も悪いことばっかりじゃないな~と感じます。
15:35かだいは

大きな社会の問題が生むものは、主に困ったことや恐怖かもしれません。


でも、他の視点から見れば、
■人間の能力を開発してくれるためのものになったり、
■意見が違っても人と人が協力するきっかけになったり、
■自覚的に自分ができることをするきっかけになったり。
■あるもので楽しむ視点をくれたり、
■次の時代の価値観を生み出すもとになったり。


必ずしも悪い条件が、全て悪い結果を招くわけではないと思わせてくれます。


私は、人が一生懸命知恵をしぼって、苦しんだりもがいたりしながらも現実問題に向き合ったり、新しい道を見つけたり、一緒に喜んだり、創意工夫したりしている姿は美しいなあと思います。

11:20じぶんごとになると

どうせ問題が来るなら、楽しく向き合えたらいいな。
そうやって人生の主体性を、自分の手に取り戻して生きていけたらいいな。


それは、人生において誰にでも起こる苦しいことや困ったこと
「起こったことに対する受け止め方」の練習の一つなのかもしれない。


それは、条件や環境、人に全ての責任を押し付けてしまうことなく、どう向き合うか?という、
「自分が自分で幸せを作る姿勢」を磨く機会なのかもしれない。


問題には確かに困ったこともつきまとうし、うまく解決できないことだって当然ある。
けれど、視点や姿勢ひとつで「何かが生まれるきっかけ」にはできる。
そんな風に感じる今日この頃です。
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