田舎に移住し、空き家物件を探したい方へ。
不動産家さんがない田舎では、つてがない場合、各地の移住支援団体や行政の方を通して空き家物件を紹介してもらうことが多いでしょう。夫が仲間と活動している移住支援NPO「れいほく田舎暮らしネットワーク」でも8年前からそういった活動をしてきました。今回はいざ現地での空き家を下見する時に役立つ10のチェックポイントをご紹介していきます。

1、直感と冷静のあいだ

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空き家を見て、「ああ、ここがいい!」とピンと来たらそれは大事な直感。
まずその感覚は大事にしましょう。日当たり、まわりの山の雰囲気、家の雰囲気、町の雰囲気もふくめ何かがあなたに合っているというサイン。その上で固執しすぎず、ここからは冷静な判断をしていくことが大事です。

2、改築にかかる技術や予算。空き家の難易度を見極めよう。


空き家の中には即入居できる家もまれにありますが、改築が必要な家が多いです。自分でセルフリノベーションするのか、大工さんに改築を頼むのか?建て直す必要すらあるのか、耐震性は・・?
改築の難易度レベルと自分の技術や予算を照らし合わせて。移住後の負担になりすぎず、楽しく暮らしが始められるように見極めましょう。
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3、下見の心得

下見は文字通り「下見」。よーく見る事がとにかく重要です。
「わぁ~奇麗な景色!」「囲炉裏がある~♪」とテンションは上がりますが、やはり現実的な目でチェックチェック。気に入った家があれば、時間もかけて現実的な目でしっかりチェックしてメモを。くれぐれも、後で帰宅してから「あれ?あそこはどうなってたっけ?」という事のないようにしたいものです。

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4、あなたの人柄も下見されている意識で


一つ気をつけたいのは仲介者さんもまたここであなたの事を意識・無意識を含めて逆にチェックしている、ということです。もしあなたが田舎に住むようになると長い付き合いになる可能性の高い方。感謝とマナー、節度をもった上で、自分たちが住むかもしれない家を真剣にチェックする姿勢で。
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5、下見にあったら良いものリストはこちら


1.間取図(なければ自分で現地で作る)
2.周辺の地図(スーパー、町の中心までの距離など日常行き来する場所との位置関係をチェック)
3.筆記具や巻き尺など(具体的なメモを残すために)
4.デジカメ
5.名刺など自分を紹介するもの
6.手土産(大家さんや、仲介者などに)

6、下見は家族・友人など複数人数で


2人以上いれば、目にみえない点をチェックしやすくなります。男性と女性では視点が違いますし、田舎暮らしでは家事に加えて、周囲の雑事(草刈りや山の手入れ)も多いです。さまざまな視点で見てみましょう。例えば様々な扉の開け閉めチェック(古民家だと痛んでいることが多い)、日当たり、屋根や床、水周りの状態などなど。
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7、マクロ⇔ミクロの視点でバランスを取ろう!

都会では整っていて当然、考えなくてもよかったりすることが田舎では重要な検討材料に。田舎は助け合いが前提となっているので、物件自体のことだけでなく、それをとりまく集落や人のつながりなど、外的な環境も含めて自分に合っているかを検討することが大事だからです。

例)
・仕事の利便性(通勤距離や田畑の距離など)、
・インフラ面の充実度(インターネット、携帯電波状況、駐車場の台数など)
・ご近所や集落のこと(共同行事やお付き合いの程度など)
・自然環境(年間通しての気温や湿度など)
・町村のこと(町の取り組みや情勢について)
など外的な環境についても考慮が必要です。

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家の状態や外観・景色が良いからと言って「これぞ私が求めていた憧れの古民家!」と即断するのではなく、一歩引いて大きな視点でも見てみることをおススメします。

8、田舎の空き家ならではの注意点をたずねてみよう



一般的な都会の不動産と違い、田舎の空き家事情は、地域ごとに状況が違うもの。
ぜひ、地域で実際に暮らしている大家さんや紹介者さんに注意点を聞いてみましょう。
例えば・・・
・「五右衛門風呂の場合、お風呂に使う薪はどこで手に入るか?」
・「買い物はどうしているか?」
・「集落会や冠婚葬祭、消防団など地域での活動は?」
・「地震など災害時の避難場所について」
・「ゴミ捨て場の場所」
・「テレビアンテナについて(専用か、共用か?)」など。

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9、現地へ行ったら先輩移住者にお話を伺おう

これら田舎ならではの注意点は、同じような経験をしている先輩移住者(Uターン者ふくむ)が一番よくわかっています。移住して困ったこと、楽しいこと、暮らしのポイント、お付き合いのことなど。せっかく空き家を探しに田舎に来たのなら、あわせてその地に暮らす移住者とも会ってお話を伺いましょう。移住した後も、心強い相談相手になってくれるかも。

10、ビジネスライクは×感謝の気持ちを持ち合わせて


田舎では、不動産屋がない場所も。そんな中、仲介者や大家さんとのやり取りは、ビジネスライクにするのはNG。ほとんどの方が商売でなく善意でやってくれているからです。


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これから住み始める大事な家探し。田舎での「家」は地域とひとつながりなのを忘れずに。
感謝の気持や礼儀を持って接してみてください。

良いかたちであなたの人柄が伝われば、別の空き家を人づてに紹介してくれたり、地元の人につないでくれたり・・・と色々と便宜を図ってくれることもありますよ♪


■出典協力→NPOれいほく田舎暮らしネットワーク
高知県嶺北地域への移住希望窓口。移住者同士、地元をつなぐネットワーク作りをしているNPO。夫が事務局長をしていますのでお気軽にどうぞ。

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■私、ヒビノケイコの著書。高知の山奥で暮らしながら新しい時代のあり方を創造中。

山カフェ日記~30代、移住8年。人生は自分でデザインする~
山カフェ日記~30代、移住8年。人生は自分でデザインする~ [コミック]








自然派菓子工房ぽっちり堂ネットショップ
田舎に仕事を作るために作った、地元素材のお菓子工房。
焼きたてのやさしいお菓子ギフト。

全国での講演(移住支援、地域活性化、キャリア授業)や田舎へのスタディツアーも行っています。☆執筆、講演などお仕事依頼はこちらまで→info@pocchiri.com