れいほく田舎暮らしネットワークは、高知県嶺北地域への移住支援NPO。
毎年30組以上のご家族が特に有名でもない嶺北地方への移住を実現されています。
4か町村の行政区分を超えて、活動しています。
うちの夫は初期からのメンバーで現在事務局長。彼から聞いた話をもとにその活動をひもといていきます。

■「ジブンゴト」の人たちが、先に良い事例を作る。

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田舎暮らしネットワークはもともと「自分たちが暮らす地域が永続していくには、人口を増やして行くことが必要」というミッションをもとに、Uターン者である山本福太郎会長の声かけで夫はじめ若手のUIターン者が集まりました。


いわば、移住者による移住者支援です。


4か町村各地域に有志の中心メンバーがいて、移住の相談があれば受けて紹介し、つなぐという活動をボランティアでやっていました。

「自分達の仲間が増えれば自分達の生活が楽しくなる」
「色んな人がいるほうが、生活の質が実感としてあがるよね」それがある種の報酬と感じながら。


■移住者による移住者支援。完全ボランティアの大変さ



今でこそ核となる移住支援業務に関しては専従の職員を置けるようになり、ボランティアしてくれるメンバーの助けで成り立っているれいほく田舎暮らしネットワーク。
当初は完全にボランティアでした。


正直、ボランティアで関わるにはかなりの時間もエネルギーが必要で大変。
生まれたばかりの赤ちゃんを育てながらの家族との関係、
自営業で仕事をこれから頑張っていかないといけないメンバーも多い状況の中、
みんなが頑張って活動を続けてくれました。

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空き家を紹介したり、田舎スタディツアーを行ったり。
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手作り市をはじめたり。

■有志で活動してきて良かったこと




ただ、最初から有志で始めたからこそ良かったこともあります。

一つは、モチベーションが純粋なまま保てているということ。
二つ目は、町単位でなく、嶺北という四町村がつながったネットワーク活動ができたこと。
町単位の活動を超えてつながること、これは行政の仕事では難しいので、このスタイルを有志のうちに作り上げたのは大きかったでしょう。
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例えば、町単位の活動しかできなければ、移住希望者の相談にのった時・・・
「この方の希望を聞いていると、となりのA町の方があっているなあ。だけどうちはB町しか紹介できないから何もいえないな」となってしまう。


それを、4か町村をつなぐネットワークで行うことで・・・・
「あなたはA町が合っているかもしれないので、そちらの担当者を紹介しますね」とつなぐことができる。



逆に、A町に来られた移住希望の方がいたとして、そこで町単位の活動しかなかたっとする。
そうすれば、その町を見てダメならそれで終了。
でも、田舎暮らしネットワークにつないでくだされば、他のB~D町につなげられるんです。



こうすることで大きい目で見て地域の人口も増えてゆくし、ミスマッチによる失敗も防げます。
これは移住希望者にとっても、移住先の地域にとってもいいこと。
人を囲い込もうとするのではなく、本当に人の幸せと地域の幸せを考えて動くことで、長い目でみてお互いのメリットも幸せも増えるんです。


■モチベーションが高いわけは・・・



最近では全国からの視察も増え、様々な地域で移住促進に取り組む方々に
「どうしてこの団体はこんなにモチベーションが高いのですか」とたずねられます。


なぜでしょう?
メンバーは「タニンゴト」でやらされている感を持って支援しているのではなく、
「ジブンゴト」としてとらえて主体的に行動しているからだと思います。


移住促進の現場でよくあるのですが「何でこの人たちこんな田舎に来るんだろう?」「来てどうするんだろう、理解できない」って思っている人が担当していると、どこかタニンゴト感が伝わります。
安定思考の方からすると、いろんなリスクを抱えている田舎に飛び込んでくる移住者はどこか理解できない存在。


だからこそ、実際に田舎に移住した人が移住促進に関わること。
そうすると、自分もかつて移住希望者だった立場から相手の気持ちや検討材料も理解できますし、
暮らしてみての地域側からの視点も持ち合わせているため相手に響く活動ができます。



地域に住む人たちが「必要だ」と心から思って行動し、良い事例を作ってしまうこと。
その活動に行政が業務を委託する。わからないことがあれば尋ねてみる。協力して進めていく。
それは、「ジブンゴト」で取り組めるパフォーマンス的にもいい方法なのかもしれません。


(関連記事)


http://hibinokeiko.blog.jp/archives/17766367.html

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■幸せになるための移住を応援しています⇒NPOれいほく田舎暮らしネットワーク
移住希望の方への窓口と移住者同士、地元をつなぐネットワーク作りをしているNPO。夫が事務局長をしていますのでお気軽に。

■私、ヒビノケイコについて。
高知県の山奥で暮らしながら作家活動をしています。

こちらは新刊のエッセイ漫画。田舎の食のことも、描いてます♪

山カフェ日記~30代、移住8年。人生は自分でデザインする~山カフェ日記~30代、移住8年。人生は自分でデザインする~ [コミック]








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私がオーナーをしている山のお菓子工房ぽっちり堂。
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田舎に仕事を作るために作った、地元素材のお菓子工房。
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全国での講演(移住支援、地域活性化、キャリア授業)や田舎へのスタディツアーも行っています。☆執筆、講演などお仕事依頼はこちらまで→info@pocchiri.com